“PR担当者は、自社が発信した情報がニュースメディアでどのように取り上げられるかだけでなく、ソーシャルメディアでどのように語られるかにも関心を持つべきである。”
前回(第16回 読者無視の時代は終わった〜ソーシャルメディアによりもたらされた読者重視のパブリシティ活動〜)、このようなことを書かせていただきました。
ニュースメディアでの記事の露出をゴールとするようなパブリシティ活動のやり方は過去のものとなり、ニュースメディアのその先にいる読者から良い評価を受けること、そしてその先の良好な関係構築をゴールとするパブリシティ活動こそ、いま行われるべきパブリシティ活動、なのです。
現代のPRでは、どのような情報を発信すれば、人々からどのように評価をされ、その評価がどのようにソーシャルメディア上に表出するのかを想像しながら活動を行わねばなりません。くどいようですが、ニュースメディアでどのような見出しがつけられ、どのような記事が掲載されるのかだけを考えていてはダメです。
2013年11月に展開された「ONE PIECEコミックス累計発行部数3億冊突破記念キャンペーン」の「新聞ジャック」は、まさに、発信した情報に人々がどのように反応し、それがソーシャルメディアでどのように表出するのかを考慮したキャンペーンだったと言えるでしょう。
- 第1回 PR業界人の悩み――成功パターンが崩壊したいま、僕たちが考えること
ITの普及は消費者を取り巻く情報環境を一変させた。企業PRの観点からすると、このような環境変化は良かったのか、悪かったのか……。マスメディアを中心としたPR戦略の基本パターンが崩壊し、新しい時代のPR手法が求められる時代。電通PR 細川氏のメッセージを送る。
- 第2回 PRは「公共との良好な関係作り」
PRに今、求められているのは、メディア掲載のための安直な手法ではなく、PRの本来の意味である「公共との良好な関係作り」だ。電通PR 細川氏によるPR原論第2回。
- 第3回 クチコミマーケティングを巡る残念な2つのこと
メッセージを正しく届けるうえで重要なのは、メッセージ(=コンテンツ)を運搬するメディアの特性を知ることだ。広告には広告に最適な表現があり、ブログにはブログに適した表現がある。残念なマーケターはそのことを理解していない。
- 第4回 ステマかどうかなんて関係ない
少しでもステマだと疑われるようなコミュニケーション方法は採用するべきではない。企業コミュニケーションにおいて重要なのは、結局、生活者との良好な関係作りに寄与するコミュニケーションかどうか、あるいは、生活者に好かれるようなコミュニケーションかどうか、ということなのである。
- 第5回 ペイパーポストが「ナシ」な理由 〜成果指標と情報流通構造から考える〜
ペイパーポストとは、企業がブロガーに金銭を渡し、企業の情報をブログに掲載させるサービスのこと。確かにこういったものを利用すれば、簡単に企業の情報を多数のブログに取り上げてもらうことができます。しかし、それが何になるのでしょうか?
- 第6回 「ステマ」のカジュアル化がより巧妙なステマを横行させる
ステルスマーケティングの何が悪なのかといえば、「ステルス」という点につきる。情報の受け手に知らされるべき事実が知らされないまま、情報が発信されること。それが悪なのである。
- 第7回 ソーシャルメディア時代の記事の「良い出方」
最近、PR担当者にとっての記事の「良い出方」「悪い出方」の基準に新たな判断軸が加わった。「ソーシャルメディア上でどのくらい語られているか」という軸である。
- 第8回 メディアは見るな、生活者を見よう〜インターネット時代における有能なPR担当者像〜
コンテンツへのアクセス方法が全く違うインターネット上のメディアと従来型メディア。それぞれを対象としたパブリシティでは、考え方が違って当然です。にもかかわらず、実際のパブリシティでは、このあたりの考え分けが十分にできていないのかもしれません。
- 第9回 削除しようとしたとき炎上は始まる
2012年7月、ある電子書籍リーダーメーカーが炎上しました。この電子書籍リーダーメーカーはこれらの書き込みをまとめて削除してしまいます。おそらく書き込みさえ削除してしまえばシステム不備への不満も「削除」できると考えたのでしょう。しかし、そうはいきませんでした。
- 第10回 間違いだらけの新任PR担当者研修
PRとは何でしょうか? 「企業と公共との良好な関係作り」というのが正解です。しかし、PR業務未経験の新任担当者には、何のことやらチンプンカンプンでしょう。つまり、定義としては正解であっても、この定義をそのまま新任担当者に告げるのは間違いなのです。
- 第11回 PRは広告の代わりにはならない
PRは「安価な広告」ではありません。そのような誤解が広まってしまうと、「メディア」「PR担当者」「企業」、いずれも不幸になります。PRと広告は「ある程度違う」ではなく、「全く違う」のものなのです。
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