スマートスピーカーで何ができるのか。これからのマーケターが押さえておくべきポイントを解説します。
前編では国内発売から約1年がたったスマートスピーカーについて、これから伸びる理由とマーケターに必要な基本知識などをお伝えしました。後編では、既存の人気スキルを紹介し、スキル作成時にマーケターが押さえておきたい3つのポイントを解説します。
以下は、Amazonランキング大賞2018上半期(集計期間: 2017年11月13日〜2018年4月30日)における人気のAlexaスキルトップ10です。
順位 | スキル | カテゴリー |
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1 | radiko.jp | 音楽・オーディオ |
2 | ピカチュウトーク | ゲーム・トリビア・アクセサリ |
3 | 駅しりとり powered by 駅すぱあと | ゲーム・トリビア・アクセサリ |
4 | 豆しば | ノベルティ・ユーモア |
5 | アルクの英語クイズ | 教育・レファレンス |
6 | カラオケJOYSOUND | 音楽・オーディオ |
7 | クックパッド | フード・ドリンク |
8 | 波の音 | 音楽・オーディオ |
9 | Hey MIKU! | ノベルティ・ユーモア |
10 | 野村證券 | ビジネス・ファイナンス |
1位はラジオ番組が聴ける「radiko」。電通の年次調査である「日本の広告費」を見ると、マスメディア離れが進む中でラジオだけは下げ止まり、しかも2016、2017年と2年連続で微増しています。radikoのスマホアプリがこの流れを作っているのは明らかでしょう。今後、スマートスピーカーを通じて音声メディアの「ながら聞き」が増えると、ラジオは新しい時代に再び主要メディアとして市民権を得ることになるのではないでしょうか。
8位のシンプルにひたすら波の音を再生してくれる「波の音」や、カスタムスキルでありながらフラッシュニュースのようにその日のマーケット情報を読み上げてくれる10位の「野村證券」なども、ながら聞き需要に応えるスキルの好例といえるでしょう。
6位の「カラオケJOYSOUND」も、家事をしながらカラオケを楽しんでいる方がいそうですし、7位の「クックパッド」は食材などを話しかけるとレシピを返してくれるので、料理をするときに使われることが多そうです。
その他のスキルは、暇つぶし的にスマートスピーカーに向き合って使うタイプになっています。
2位のピカチュウとおしゃべりできる「ピカチュウトーク」は、ガイド音声こそAlexaの読み上げですが、話しかけるとピカチュウの声で答えてくれるスキルです。何を聞いても「ピカー」や「ピカチュウ」しか言わないのですが、多様な感情表現を使い分け、ピカチュウが何を言いたいのか、こちらの想像力をかき立てる演出がされているのと、100種類以上のインテント(ユーザーの発話を想定した対話モデル)が登録されているそうで、何を話しかけても何かしら返事が返ってくるところが、実によくできています。
3位の「駅しりとり powered by 駅すぱあと」では、Alexaと駅名しりとりができます。終了後に今回のスコア(続いた回数)と今月の記録を教えてくれて、「もっと駅名を調べる方法を知りたいですか」と、自社アプリのインストールを促すようになっていたり、次回起動時にも記録を教えてくれたり、継続利用したくなる仕組みを上手に作っています。
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