「α世代」はマーケターにとってなぜ重要なのか?Marketing Dive

Razorfishのレポートによると、α世代の中でも比較的年齢が高い層は美容製品に強い関心を持っており、73%がスキンケアについて親に教えたいと考えている。

» 2025年03月26日 08時00分 公開
[Sara KarlovitchMarketing Dive]

 Publicis Groupe傘下の広告代理店であるRazorfishのレポート「Gen Alpha: A cohort of influential tweens」によると、α世代は買い物を好み、購買決定に影響を与えることが分かった。また、10歳までに高級ブランドの商品を所有している割合は68%に達する。

 2024年10月3日から11月13日にかけて9歳から13歳の子ども2310人を調査した結果、この世代は性別を問わず美容製品を重視しており、73%がスキンケアについて親に教えることに関心を持っている。

 α世代は親の購買決定に大きな影響を及ぼす。例えば、61%が親の車の購入に最終決定権を持ち、同じく61%が家庭の食事の選択に強い影響を与えている。

購買力も親への影響力もある「α世代」の実態

 α世代の中でも年長層は現在10代前半になっており、購買力を発揮するとともに、家族の購買決定に影響を与えている。しかし、この世代を過去の世代と一括りにするのは誤りである。なぜなら、支出に関する価値観が異なる場合があるからだ。例えば、Razorfishによると、α世代は社会的意識や持続可能性を重視した購買選択にはあまり関心がない。環境に優しい車に対して追加料金を支払ってもよいと考える割合はわずか38%にとどまっている。

 本調査はGWIとの提携の下、2024年10月から11月にかけて米国で実施された。対象は9歳から13歳の子ども約2300人である。

 α世代の年長層は、性別を問わず美容に強い関心を示している。レポートによると、α世代の年長男子のほぼ半数(45%)がスキンケアに興味を持ち、69%がシワを予防したいと考えている。また、25%は3〜5種類の製品を使用するスキンケアルーチンを実践している。全体としては、75%がソーシャルメディア上の美容コンテンツに関心を持ち、38%は独自の美容コンテンツを作成している。

 しかし、α世代の美容やスキンケアへの関心には懸念も伴う。30%以上が、レチノールやコラーゲンなど、本来は自分の年齢の3倍に相当する層向けの成分を含む美容製品を試している。また、この世代は使用する製品の成分について十分に認識していない傾向があり、50%以上が「成分についての知識はほとんどない」と回答している。それでも、72%は自分のスキンケアルーチンについて友人に教えたいと考えているという。

 α世代は包括的な表現を重視しており、63%がそれを「重要だ」と考えている。一方で、80%がソーシャルメディアのフィルターを使用した経験がある。また、オンラインでの活動が多い世代でありながら、3分の2はオンラインのみで使用できるものよりも現実世界でのみ使用できるものに対して高い金額を支払うことを好む。

 マーケターにとって、α世代の年長層を重要な意思決定者として認識することは重要だ。また、α世代は世代が伝統的な性別の役割にとらわれず、人生の多くの時間をオンラインで過ごしていることも認識する必要があると、レポートは指摘している。

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