コンテンツSEOは「外注」と「内製」のどちらが正解? 判断基準と使い方を徹底解説SEOタイムズ編集部が初心者向けにわかりやすく解説

「コンテンツSEOを始めたいけれど記事作成に時間がかかりすぎる」「社内で記事を書いているが、検索順位がなかなか上がらない」「外注を検討しているが、どこまで任せるべきかわからない」――。本記事では、コンテンツSEOの外注について、初心者にもわかりやすく解説します。

» 2025年03月31日 06時00分 公開
[谷川祐一SEOタイムズ]

 コンテンツSEOとは、検索エンジンとユーザーの両方に評価される記事を作成してWebサイトの検索順位を向上させる施策です。しかし、質の高いコンテンツを継続的に作成するには、時間やスキルが必要です。そのため「外注すべきか? 内製すべきか?」と悩む人も少なくありません。

 この記事を読めば、コンテンツSEOを外注する際のポイントを理解し、自社の状況に合った最適な発注を選択できるようになります。

コンテンツSEOを外注するとできること

(画像提供:SEOタイムズ)

 コンテンツSEOに関わる業務の中で、外注できる業務は3つのカテゴリに分けることができます。

  • 完全に外注できる業務
  • 外注と内製の組み合わせが望ましい業務
  • 基本的に内製すべき業務

 外部委託できる範囲を理解し、自社の状況やリソースに合わせた最適な運用方法を見つけていきましょう。

完全に外注できる業務

 コンテンツSEOの業務には、完全に外部に委託できるものがあります。専門のライターや制作会社を活用することで、質の高いコンテンツを安定的に提供できることが大きなメリットです。以下の業務は、社内のリソースを使わずに外注できる代表的なものです。

  • ライティング(記事作成):キーワードや構成案を基に、SEOを意識した記事を作成する業務です。専門ライターに依頼することで、検索エンジンに評価されやすいコンテンツを効率よく制作できます。
  • 編集・校正:誤字脱字の修正や文法のチェックを行う業務です。専門の編集者が担当することで、読みやすさを向上させ、品質を安定させることができます。
  • 画像作成・挿入:記事に適したアイキャッチ画像や図解を作成する業務です。ビジュアル要素を加えることで、ユーザーの理解を深め、滞在時間を延ばす効果が期待できます。
  • 記事のリライト:既存のコンテンツを最新情報に更新する業務です。検索順位を維持・向上させるために行われます。

 これらの業務は専門スキルが必要ですが、外注すれば社内リソースを使わずに質の高いコンテンツを継続的に発信できます。効率的な運用を目指すなら活用を検討してみましょう。

外注と内製の組み合わせが望ましい業務

 コンテンツSEOの業務の中には、完全に外注するのではなく、社内と外部が連携することで、より効果を発揮できるものがあります。これらの業務は、社内の知識や情報を活用しながら外部の専門スキルを取り入れることで、より質の高いコンテンツを作成できるのが特徴です。以下の業務は、外注と内製のバランスを考慮しながら進めるのが理想的です。

  • キーワード選定:SEOで成果を出すには、効果的なキーワードを選ぶことが欠かせません。競合分析や検索ボリュームの調査は外注できますが、最終的な選定は、ターゲットユーザーのニーズや自社のビジネス戦略を理解している社内担当者が行うのが望ましいです。
  • 記事の構成案作成:外注ライターに記事作成を依頼する際、あらかじめ作成した構成案を渡すことで、意図に沿った記事を仕上げやすくなります。SEOの知識がある場合は社内で対応し、専門的なジャンルの記事について構成案が必要な場合は外注するのが効果的です。
  • データや事例を活用した記事作成:業界の統計データや一般的な事例を活用した記事は、他社との差別化を図る上で有効です。データの収集や選定は社内で行い、文章化や編集は外注すると効率的にコンテンツを作成できます。

 これらの業務は、社内の情報と外部の専門知識を組み合わせることで、より効果的な結果を得ることが期待できます。外注と内製のバランスを考え、自社にとって最適な方法を選択しましょう。

基本的に内製すべき業務

 コンテンツSEOの業務の中には、外部に依頼せず全て社内で対応する方が効果的なものもあります。以下の業務は、基本的に内製するのが望ましいものです。

  • SEO戦略の立案:コンテンツSEOの方向性を決める戦略は、企業の目標や市場環境を踏まえたうえで、社内で策定することが大切です。外部のSEOコンサルタントのアドバイスを活用することはできますが、最終的な判断は社内で行う必要があります。
  • ブランドの方針やトンマナの設定:記事のトーンや表現がブランドイメージと合っているかを判断するのは、社内で対応する方が良いでしょう。その上で外注先のライターに伝えるためのガイドラインを作成し、ブランドの一貫性を保つことが必要です。
  • 独自データやノウハウを活用したコンテンツの作成:企業の成功事例や内部で蓄積されたデータを基にした記事は、専門性が高く、競合との差別化につながります。しかし、機密性の高い情報や専門知識が求められるため、社内で作成するのが理想的です。
  • コンテンツの最終チェック:外注した記事の内容がブランドの方針やトーンに合っているか、事実に基づいているかを確認する作業も重要です。最適化や記事の誤りの確認は社内で行い、修正が必要な場合はライターに依頼するとスムーズに進められます。

 これらの業務は、企業の強みを生かすために社内で対応するのが効果的です。企業のブランドイメージや専門知識、顧客情報など、外部には共有しにくい情報が関わってくるなら内製した方が良いと言えます。

外注と内製のメリット・デメリットを比較

 コンテンツSEOで外注と内製のどちらを選ぶべきかは、自社の状況に応じて、外注・内製のメリット・デメリットが異なります。比較するポイント次第で外注と内製それぞれにメリットもデメリットもあります。以下の表で一覧できるようにまとめたので、どちらが自社に合っているのか検討してみましょう。両方を組み合わせることで、それぞれのメリットを生かすことも可能です。

外注がお薦めの場合

 コンテンツSEOの運用において、社内のリソースやスキルが不足している場合、外注の活用が有効です。以下のようなケースでは、外注を検討すると良いでしょう。

  • 記事作成のリソースが不足:社内でコンテンツを作成する時間や人員が確保できない場合、外注を活用することで負担を軽減
  • SEOやライティングの専門知識が不足:SEOに強いライターや専門の制作会社に依頼することで、検索エンジンに評価されやすい記事を作成できる
  • 短期間で多くのコンテンツを作成する必要がある:自社で対応しきれない大量のコンテンツ制作も、外注を活用すればスムーズに進められる
  • 継続的なコンテンツ更新が求められる:定期的な記事公開が必要な場合、外注することで安定した運用が可能

 外注は一定の品質を確保しながら、短期間でコンテンツを増やしたい場合におすすめです。

内製がお薦めの場合

 対して、以下のようなケースではコンテンツSEOの内製を検討すると良いでしょう。

  • 品質を担保できる:社内で作成すれば、正確で価値のある情報を提供しやすい
  • ブランドの一貫性を保ちたい:記事のトーンやスタイルを統一し、ブランドの世界観を反映させたい場合、社内で管理することでブレのないコンテンツを発信できる
  • 自社独自のノウハウやデータを活用した記事を作成したい:自社の専門知識や独自データを活用したコンテンツは、競合との差別化につながる
  • リスク管理:外部に共有しにくい情報の漏洩リスクを減らせる
  • SEOの知識を社内に蓄積したい:長期的にSEO施策を続ける場合、社内で記事を作成することでノウハウが蓄積され、運用の精度を高めることができる
  • 記事の更新頻度がそれほど高くない:月に数本程度の更新で問題ない場合、社内で確保できるリソースの範囲で運用できる

 内製でのコンテンツSEO運用は品質、ノウハウの蓄積、ランニング(運用)、リスク管理面でメリットがありますが、一定のスキルやリソースが求められます。状況に応じて外注と内製を組み合わせる方法も有効な選択肢の1つです。必要に応じて適切に使い分け、効果的なコンテンツ運用を目指しましょう。

SEO効果や一定の記事品質を保つための注意点

 コンテンツSEOを外注する場合と内製する場合、それぞれにおいてSEO効果や一定の記事品質を保つための注意点を解説します。

外注する場合の注意点

 コンテンツSEOの運用で外注を利用する場合、気を付けた方が良いポイントを3つ解説します。

  • 品質のばらつきに注意:外注先によってライティングのスキルやSEOの理解度が異なります。過去の実績やポートフォリオを確認し、信頼できる依頼先を選びましょう。
  • ブランドのトーンやガイドラインを明確にする:自社のトンマナやブランドイメージに沿った記事を作成してもらうために、事前にガイドラインを共有しましょう。
  • 修正依頼の対応範囲を確認する:納品後に修正が発生する場合、追加費用が発生するケースもあるため、契約内容を事前に確認しておくことが大切です。

 外注は上手に活用できればコンテンツSEOを効率的に進められますが、品質コントロールがポイントとなります。

内製する場合の注意点

 内製する際には、以下の点に注意しましょう。

  • SEOやライティングのスキルの蓄積が必須:検索エンジンで評価される記事を作成するには、SEOの知識とライティングスキルが欠かせません。社内に知見がない場合は、学習時間の確保が必要です。
  • 特に時間的なリソース確保が課題になりやすい:他業務と並行して記事を作成する場合、リソース不足になりやすい点に注意が必要です。作業を分担したり、無理のない更新スケジュールを設定したりする工夫が求められます。
  • 最終チェックは客観的な視点が重要:社内で完結すると、ユーザー目線が抜けてしまうことがあります。必要に応じて外部の意見を取り入れると、より質の高いコンテンツが作成できるでしょう。

 

 内製は自社の強みを生かしたコンテンツを作成できますが、担当者の負担も考えないといけません。


 コンテンツSEOの運用では、外注と内製のどちらを選ぶかが大切なポイントになります。どちらにもメリット・デメリットがあるため、自社のリソースや目的に応じた方法を選ぶことが大切です。

 最適な方法は企業ごとに異なります。チェックリストを活用しながら、自社の状況に合った運用方法を見極め、コンテンツSEOを効果的に進めていきましょう。

執筆者紹介

谷川祐一

谷川祐一さん

たにがわ・ゆういち GMOインターネット ソリューションパートナー事業部 メディア運営チーム シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(シニアマネージャー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。


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