市場調査、顧客や開発チームとの関係構築、プロモーション活動など、マーケターの毎日は忙しない。AIエージェントの登場で、忙しいマーケターの毎日が大きく変わるかもしれない。
市場調査、顧客や開発チームとの関係構築、プロモーション活動など、マーケターの毎日は忙しない。そんな彼らの注目を集めるのが、マーケティング活動を支援するAIエージェントだ。
7月24日、セールスフォース・ジャパンはイベント「Agentforce Innovation Day Marketing & Commerce 本気のAI改革の幕開け −デジタルの未来が、ここから動き出す−」を開催した。6月11日から12日(現地時間)に米シカゴで開催された「Connections 2025」で話された最新情報を基にした、日本国内のマーケター向けの説明会である。
AIエージェントを活用すれば「マーケターの月曜日が変わる」とセールスフォース・ジャパンの担当者は意気込む。何が変わり、どのような業務効率化が見込めるのだろうか。イベントでは、実際にマーケティング業務でAIエージェントを活用するLINEヤフーとHUMAN MADEの担当者が登壇。AIエージェントを活用することでマーケターの業務や役割がどれほど変わるのか、議論した。
この記事はセールスフォース・ジャパンが7月24日に開催したイベント「Agentforce Innovation Day Marketing & Commerce」内のセッション「本気のAI改革の幕開けーデジタルの未来が、ここから動き出すー」を基に紹介する。
米Salesforceの「Agentforce」は、顧客体験と従業員体験、システム基盤の全てを進化させることで、従来のマーケティングの枠組みを変化させるAIエージェントだ。
セールスフォース・ジャパン製品統括本部 Director Head of Marketing Cloud 島田崇史氏は、AIエージェントの活用で「新しい体験、コミュニケーション、システム基盤」の3点が進化するという。
その1つが顧客だけではなく、従業員も得られる新しい体験だ。Agentforceをメンバーに組み込み、育てていくことで、マーケターは土日も働く仲間を得られる。休日も情報収集や簡単な分析をAgentforceにしておいてもらえば、月曜日の朝の出社後には、AIエージェントから受け取ったインサイトの分析を自然言語で行えるようになる。まさに「マーケターの月曜日が変わる」体験だろう。
顧客体験も変化する。企業のWebサイトを訪れたニーズのある顧客は、AIエージェントと会話することで、探し物を見つけられずに離脱するという体験をしなくて済むようになる。1to1パーソナライズの対応を、AIエージェントが行うからだ。
コミュニケーションでは、これまで一方的だったものが双方向型に変わる。AIエージェントを紙のDMやメール、LINE、SMSなどのチャネルに加えることで、人間の担当者に引き継ぐようなオーケストレーション(複数システムの連携)を可能にする。
システム基盤はどのように変わるだろうか。MA(マーケティングオートメーション)やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)だけでなく、SlackやTeamsなど従業員向けチャネルにもエージェントのレイヤーを加えた「エージェントプラットフォーム」へと進化すると予測する。
イベントでは、実際にAIエージェントをマーケティング業務で活用しているLINEヤフー ITプラットフォーム本部の小林菜採氏(MarketingCloud利用推進プロジェクト担当)と、HUMAN MADE 経営企画部の木原昌俊氏が対談。AIエージェントへの期待を語った。
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