第2回 DSPデータとインバナーサーベイの回答結果を掛け合わせて見えたもの――ネットブランディング計測の可能性【連載】インターネットはブランド広告を変えるのか?

「第1回 ネット広告でブランドコミュニケーションは無理!!(なのだろうか?)」では、ブランディングにおけるインターネット広告の可能性を考えました。今回はさらに一歩踏み込んで、インターネット広告がブランディングに及ぼす影響を測定するための実験的な取り組みをご紹介します。

» 2013年10月09日 08時00分 公開
[中川斉,マイクロアド]

 以前、DSPを活用していらっしゃる某化粧品メーカーさまから、「スキンケア商品で機能訴求のキャンペーンを行う予定だが、どんな人がどの程度関心を持ってくれたのかを定量的に把握したい」という相談がありました。この依頼に対し、DSPデータとインバナーサーベイを組み合わせて分析することを提案しました。

 DSPはざっくり言えば「1人ひとりどんな人かを判別して、広告を出す仕組み」です。前回ご紹介したインバナーサーベイ(広告枠にアンケートを掲出し、回答を得る調査手法)と、このDSPの裏側にある膨大なデータとを組み合わせることで、“ブランド認知”や“好意度”といったブランド指標と、態度変容した人のユーザープロファイルが分析できるのではないかと考えたのです。

 結果、今後のネット広告でのブランディング活動にとって重要な示唆が得られたので、ご紹介します。なお、お客さまのご希望により、商品名、詳細データなどは非公開とさせていただきますのでご了承ください。

 分析対象商材のスキンケアブランド商品は、当該カテゴリでは、先行する競合商品の認知度にまだまだ追いついていないのが現状のため、マーケティング課題としては、

  1. 非ブランドユーザーへの認知、機能訴求
  2. ブランドユーザーだが、この商品はまだ使ったことがないユーザーへのサンプル配布による利用意向獲得

の2つを想定していました。広告配信には4種類のバナー素材を用い、オーディエンスターゲティングとリターゲティングで、それぞれの課題に対応しています。

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