2016年のRTB市場規模は2011年の16倍超へ――マイクロアド調べRTB経由のディスプレイ広告市場規模を予測

マイクロアドによると、RTB経由による国内のディスプレイ広告市場は、2016年で1000億円超に達する見通し。

» 2012年08月08日 17時28分 公開
[ITmedia]

 マイクロアドは8月8日、国内のRTB(Real Time Bidding)(*1)経由のディスプレイ広告市場に関する調査結果を発表した。

 同社によると、2011年の国内のRTB経由のディスプレイ広告市場規模は66億円だった。2012年の同市場は利用企業のニーズが本格化し、前年対比4倍の256億円まで伸長すると見込まれる。市場規模の拡大に伴い、国内の複数のアドエクスチェンジ(*2)やSSP(*3)提供事業社がRTB対応を始める予定で、DSP(*4)事業への新規参入も多いとマイクロアドは見ている。

photo 日本のRTB経由ディスプレイ広告市場規模予測(マイクロアド提供)

 2013年以降は、複数のポータルサイトやアドネットワーク各社、さらにはSNS提供事業社によるRTB経由のディスプレイ広告配信面の拡大、また、海外事業社の日本国内へのDSP事業参入などが予想される。これにより、RTBによるディスプレイ広告取引はますます活発化し、2016年にはディスプレイ広告の25.7%がRTBを経由して配信され、市場規模は1000億円を突破すると同社は予測する。

 RTBにより広告主は対象とするユーザーを指定し配信する「オーディエンスターゲティング広告」を効率的に運用できる。広告を提供する媒体社は、広告を表示するごとに、閲覧ユーザーにとって最適と判断される広告を表示することで1インプレッションごとの価値を向上できる。

(*1)RTB(Real Time Bidding)とは

アドエクスチェンジが保有する広告配信技術の1つ。広告の表示ごとにオークション方式で最適な広告を選択する仕組みで、この方式を利用して接続した広告配信事業者はそのインプレッションが広告主にとって最適と判断される場合にのみ、アドエクスチェンジに対して入札を行う。インプレッションごとに、閲覧ユーザーや広告掲載面、フリークエンシーなどの情報を分析し、最適と判断できる場合にのみ入札を行うので、広告主に対して費用対効果が高く、効率的な広告配信を提供することが可能となる。

(*2)アドエクスチェンジとは

オンライン広告のうち、特定の広告枠のインプレッションを入札方式によって売買する方式。中間業者を介して複数の広告主が入札する。

(*3)SSP(Supply-Side Platform)とは

複数の広告を一元管理し、メディアサイドの広告供給と収益を最適化するサービス。

(*4)DSP(Demand-Side Platform)とは

複数の広告枠の配信最適化と効果検証などの一元管理を目的に開発された広告主向けプラットフォーム。

(*5)行動ターゲティング広告とは

インターネットユーザー(厳密にはブラウザークッキー)のあらゆる行動を解析・分析して、ターゲティングする対象ユーザーを選別する広告。


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