連載「日本経済を変えるスマートデバイスマーケティング」第2回では、マーケティング施策を展開する上で把握しておくべきスマートデバイス端末やユーザーの特徴を整理した上で、それぞれに効果的なマーケティング手法を解説した。第3回ではより具体的なマーケティング展開例を紹介する。
普及台数が国内でも30%を超えたスマートフォン、スマートフォンに負けじと普及率が増加するタブレット端末――。右肩上がりに伸び続けるスマートデバイスに対して、企業はどのようなマーケティング施策を打つべきなのか。本連載では、マーケティング戦略上、最も重要なデバイスと言っても過言ではないスマートデバイスのマーケティングを多角的な視点で考える。
企業がユーザーにサービスを訴求する際のコンタクトポイントは大きく2つある。1つ目はWebの企業サイトで、2つ目はApple StoreやGooglePlayといったアプリマーケットである。スマートデバイスマーケティングにおいては、成果地点を「Webでのコンバージョン」にするか「アプリインストール」にするかで集客戦略が大きく異なる。
ユーザーからの見た目はそれほど変わらず、機能もWebとアプリに大きな違いがないものが多い。以下にそれぞれの特徴をまとめた。
項目 | Web | アプリ |
---|---|---|
OS対応 | まとめて対応可 | OS別に必要 |
アップデート有無 | 不要 | 必要 |
開発費用 | 低 | 高 |
掲載審査 | なし | あり |
リピート | ブックマーク | ホーム画面に設置 |
集客戦略において大きく異なるのはLP(Landing Page)のあり方だ。
LPの設計はコンバージョンレートに大きな影響を及ぼす。「Webコンバージョン」の場合は他デバイスと変わらずLPO検証が可能だが、「アプリインストール」が成果地点になると、App StoreやGooglePlayといったマーケット内ページにリンク先を設定しなければいけない。
マーケット内のページでコンバージョンレートを上げるのは簡単なことではない。WebのLPなら、複数の訴求パターンを作成し、A/Bテストを実施し、どのLPのコンバージョンレートが高いかを検証できるが、マーケット内のページでは複数の訴求パターンを持つことはできない。1アプリ1ページと決まっているからだ。
マーケット内のページにおいて、コンバージョンレートに関わるポイントは、「レビュー点数」「スクリーンショット」「アイコン」だが、短期間でこれらを検証することは難しい。マーケットページの内容変更、アイコン変更などにはアップデート申請が必要であり、App StoreやGooglePlayからの再審査を通過しなければならないからだ。短期間での検証は難しいため、企業側としてはどうすればユーザーからより魅力的に見えるか、「レビュー点数」「スクリーンショット」「アイコン」の検証を地道に続けていく必要がある。
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