今回は、ソーシャルでのコミュニケーション設計について触れたいと思います。というのも、ソーシャルリスニングは、コミュニケーション設計と、そこで設定されるKPIに基づいて行うべきだからです。
ソーシャルの成功を、商品なりサービスの認知向上や、実際に購買行動を起こしてもらうことに置いている企業は多いことと思います。できることなら、Twitterでリツイートをしてもらったり、Facebookに「いいね!」してもらったり、ターゲットに狙った通りの行動を起こして欲しいと考えていることでしょう。しかし実際には、リツイートや「いいね!」と、狙った通りの行動を起こしてもらうこととの間には随分と距離があることがあります。なかなか思い通りにいかない中で、そもそも、ソーシャルはコントロールできるのか? という疑念も湧いてきます。
情報拡散の早さとその影響力の大きさから、企業はソーシャルメディア上でネガティブな評判を消し、できるだけポジティブな評判に変えたいと願います。そのため、逆SEOを講じたり、誹謗中傷が書かれたメディアに削除依頼をしたり、さらには、「悪い口コミ」に対してそれ以上の数の「良い口コミ」をサクラに投稿してもらうなど、なんとかして、コントロールしようとするケース企業もあるようです。しかし、ご存じのように、成功する企業はほとんどありません。ソーシャルメディアは生活者の情報が起点となっていたり、あるいは生活者が編集権を持っていたりするため、企業がメッセージをコントロールするのは非常に困難なのです。
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