(前編)どのチャネルでも選ばれるブランドへ――ビックカメラのオムニチャネル戦略【連載】O2Oマーケティングに挑む

プロモーションメディアとしてのテレビや活字メディアは企業にとって、費用対効果の面で信頼性が低下し続けている。電子メールによるダイレクトメッセージに活路を見出す企業も少なくないが、乱立するメルマガ群の中で存在感を出すのは非常に難しい……。そんな中、ビックカメラはスマートフォン向け「ビックカメラ公式アプリ」で新たなプロモーション活動に力を入れはじめた。

» 2014年08月26日 08時00分 公開
[小川和也,グランドデザイン&カンパニー/SPARK]

オムニチャネル戦略におけるアプリ活用

小川 御社では、オムニチャネル戦略をさまざまな角度から取り組まれていると思いますが、中でも最近リリースされた「ビックカメラ公式アプリ」は、どのような背景で構築されたのでしょうか。

ビックカメラ 広告宣伝部長 執行役員 堀越雄氏

堀越 いろんな要因がありますが、電波や活字がメディアとして非常に厳しくなっていることを課題として感じていました。そこで、必然的にネットに注目をしましたが、お客さまに対してメールを送っても、乱立した多くのメルマガの中で、そのままごみ箱行きになるのが現実です。結果として来店動機や購入動機になるかというと、結構厳しくなってきました。そんな中、スマートフォンが普及し、いろいろな可能性が見えてきました。

 当時は「オムニチャネル」という言葉では認識しておりませんでしたが、アプリをうまく活用しながら、ECに誘導したり、店舗の情報を配信したりしてみようと、数年前から試行錯誤してスタートしました。

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