第2回 NFC(近距離無線通信)が可能にしたサービス――欧米の先進事例【連載】O2Oプロモーションの新たな潮流

国内ではNFC搭載スマートフォンの機種自体が少なく、導入事例も限られたものになりがちだが、米国や英国、フランスなどの欧米諸国ではすでに、住民の生活に密着したサービスが展開されている。

» 2012年10月09日 07時50分 公開
[後藤果奈,凸版印刷株式会社]

 第1回は、国内のO2Oプロモーション事情やNFCを活用したプロモーションとその効果を取り上げた(第1回 オンライン×オフラインプロモーションの“キー”としてワークしはじめたNFC)第2回ではNFCの基礎知識、ならびにNFCを活用した海外でのO2Oの最新展開について紹介する。

まずはNFCの基礎――近距離無線通信技術の国際標準規格

 NFCとは“Near Field Communication”の略で、13.56MHzの周波数で約10cmという距離の通信によって、かざすという動作でデータのやりとりをする技術であり、近距離無線通信技術の国際標準規格として承認されている。非接触IC規格として現状主流なのは、日本/アジアを中心に普及しており、国内では言わずと知れたSuicaやnanacoなどに代表されるFelicaだ。さらに、欧米を中心に世界で最も普及しており、日本ではたばこの自動販売機で必要な成人識別ICカードのtaspo(タスポ)で採用されたMIFAREや、開発は主に米国モトローラが手がけ、国内展開としてはパスポートや住民基本台帳カード、自動車免許など公共団体に多く採用されているType Bなどがあるが、これらは他の規格とは互換性がない。NFCが注目を集めている理由の1つが、他規格との互換性である。また、NFCは形状にも自由度があり、カードやモバイルでも、さらに第1回で取り上げたようなリアルいいね! プロモーションで使用しているリストバンドやシールなどにもタグを埋め込むことができるため、O2Oプロモーションのアイテムとして使用することも可能だ。

 NFCには技術仕様上、3つのモードがある。

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