本来のコンテンツが指し示すのは、伝えるべき情報ということは分かりました。ではこのことが、制作プロセスにどのような影響を与えるのでしょう? それは、プロダクトデザインを例にすると非常に分かりやすくなります。
例えば、あなたが掃除機の開発者に任命されたと想定しましょう。今まで掃除機のことを考えたことがありませんから、そもそも掃除機とは一体何なのかを考えてみるのではないでしょうか? その結果、ゴミを吸い取る仕事をするものという概念にたどり着いたとします。次に、家なのか、車の中なのか、屋外なのかによって必要な機能や形が変わってくることに気付くと思います。こういった思考の後、最終的なデザインを決めるのではないでしょうか? 例えば、ゴミを吸い取る仕事×車の中=充電式小型掃除機と考えると思います。
コンテンツマーケティングにおいてもプロダクトデザインと同じように考えてみましょう。「何を伝えたいのか」、あるいは「何を解決したいのか」をコンテンツ、ユーザーのその時の状況をコンテキスト、そしてコンテンツを適切なメディアに載せて、必要な機能を備えた最終的な形にしたものをインフォメーションプロダクトと定義すると、「コンテンツ×コンテキスト=インフォメーションプロダクト」と表すことができます。
- 第1回 広告費の無駄な半分を解消するためには、発想の転換が必要
「広告に使っているお金の半分は無駄になっている。問題は、どちらの半分かが分からないことだ」――。ジョン・ワナメーカーが示した広告界の課題は100年以上経っても解決していないようです。発想そのものを変えて、デジタル時代に即したマーケティングにシフトする時期に来ているのではないでしょうか? そのヒントを与えてくれるのがコンテンツマーケティングという考え方です。
- 第2回 コンテンツがContent(非可算名詞)であってContents(可算名詞)ではない理由
マーケティングコミュニケーションにおけるコンテンツとは一体何でしょう? コピーであるという人もいれば、動画や写真だという人もいるでしょう。ブログ、ホワイトペーパー、スライドシェアとメディアのことを意味する人もいるかもしれません。コンテンツという言葉の意味があまりに広く、またあまりに一般的なため、深く考えることがないかもしれません。しかし、その言葉の意味を探ると、コンテンツとは何かが見えてきます。
- 第3回 そのコンテンツはビジネスに貢献しているか? 目的を見誤らないために取り組むべきコンテンツストラテジーの設計方法
ずっとやるべきだと思っていたコンテンツマーケティング。社内決済も下り、具体的な検討を始めることになったとします。あなたはここで、面白いコンテンツは作れないか……と、いきなり考えはじめていませんか? 実はコンテンツを考えはじめる前にするべきことがあります。それが「コンテンツストラテジーの策定」です。今回はこのコンテンツストラテジーの重要性と基本的な考え方を説明します。
- 第4回 ストーリーとは何か? 人を動かすために必要なもう1つの要素
適切なコンテンツをロジカルに導き出すためのコンテンツストラテジー。しかしこれだけで人を惹きつけるコンテンツが作れるわけではありません。人を購買に導くには理性だけではなく、情緒的な側面も不可欠です。ではどうしたら魅力的なコンテンツを作成することができるのか?コンテンツマーケティングではストーリーの力を利用します。今回は、コンテンツマーケティングの奥義ともいえるストーリーの活用方法について紹介します。
- 第5回 コンテンツストラテジストとは何者なのか?
コンテンツマーケティングが必要とされる背景、コンテンツとはそもそも何なのか、適切なコンテンツをロジカルに導き出すためのコンテンツストラテジー、そして、コンテンツにエモーショナルな力を吹き込むストーリーと4回に渡って紹介してきました。最終回の今回は、コンテンツマーケティングを実践する上で最も重要な役割を担う、コンテンツストラテジストという役割について紹介したいと思います。
- コンテンツマーケティングに関する7つの間違った神話
あなたがコンテンツマーケティングを実施「しない」理由は何でしょうか。「ターゲット」「予算」「組織」「時間」「ソーシャルメディア」などさまざまだと思いますが、この記事を読んだら気が変わるかもしれません。
- 第1回 なぜ、今、インバウンドマーケティングなのか
企業や消費者の購買行動の変化、および、売る側に求められる変革の圧力という観点から、いま、インバウンドマーケティングが注目される背景を考察する。
- 第2回 インバウンドマーケティングの全体像を捉える
「基礎から理解するインバウンドマーケティング」第2回では、インバウンドマーケティングの構造を考える。全体を「見つけられる」「期待を得る」「信頼を得る」という3つのステップに分けると理解しやすい。
- 第1回 「見込み客」が、「こっちを振り向いてくれる」瞬間を見極める
見込み客の検討プロセスを後押しし、その検討度合いを把握し、しかるべきタイミングで営業コミュニケーションにつなげる――。BtoBビジネスを行う企業において、マーケティング部門の任務は、営業部門がその先の見込み客と「お互いが出会えて嬉しい状態」をセッティングすることにある。その方法とは?
- 第1回 マルチチャネルキャンペーンの効率的な統合管理と実施事例
マルチチャネル施策を計画するには、まずキャンペーン全体を俯瞰し、リードを顧客化/リピーター化するためのプロセスと最適なタッチポイント(メディア+コンテンツ)を設計、企画することが必要である。まずはそれぞれのプロセスにおいて、最も有効だと思われるタッチポイントを選んで組み合わせ、予算を最適に配分しよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.