第1回 マルチチャネルキャンペーンの効率的な統合管理と実施事例【連載】オンラインとオフラインで考えるリードマネジメント(1/2 ページ)

マルチチャネル施策を計画するには、まずキャンペーン全体を俯瞰し、リードを顧客化/リピーター化するためのプロセスと最適なタッチポイント(メディア+コンテンツ)を設計、企画することが必要である。まずはそれぞれのプロセスにおいて、最も有効だと思われるタッチポイントを選んで組み合わせ、予算を最適に配分しよう。

» 2012年08月09日 07時30分 公開
[大上宝恵,シャノン]

はじめに

 私が所属するシャノンは戦略的なマーケティングを実現するクラウドアプリケーション「シャノンマーケティングプラットフォーム」を中心とした、企業のマーケティング活動をサポートするソリューションを提供しています。イベントやセミナーなどのオフライン施策の実施管理や、リード情報とコンタクト履歴などマーケティングデータの統合管理を得意としています。

 本連載では、BtoBマーケティングにおいて成果を出すために必要なこと、またそれをどう実現するかについて、少しでもみなさんと共有できればと考えています。連載第1回は、BtoBマーケティング活動の効果を向上させるための「マルチチャネルキャンペーンの効率的な統合管理と実施事例」についてお伝えします。

課題と成功への鍵

 シャノンでは、昨年から「BtoBマーケティング活動状況に関するアンケート調査」を行っています。昨年からの傾向としては、施策はオンライン/オフライン問わず拡大し、マーケティング業務量が増加傾向にあるものの、リソースが確保できない状況が続いています。そのため、課題としてはリソース確保や作業効率の向上などが多く挙げられ、さらにROIをどう可視化し、向上していくかという課題も根強く残っています。

「2012年度国内BtoBマーケティングの現状と課題」(シャノン)

 これらの課題を解決し、成功させるための鍵とは何でしょうか?

 BtoBマーケティングのメインミッションは、リードを獲得し、育成して営業に渡すことですので、まずは以下の2点を効率化させることが目標になります。

  • リード獲得効率を向上させる
  • 商談獲得効率を向上させる

 獲得したリードのうち、すぐ商談になるのは1割強であり、7割以上が長期フォローを必要とするという統計結果があります。すぐに商談にならなかったリードも長期フォローすることで商談につながり、結果として獲得したリード単価を下げて獲得効率を向上させることにつながります。リードナーチャリングの有用性が叫ばれていることから、この点についてはみなさんもすでに理解されていると思います。

 商談獲得効率を向上させるためには何が必要でしょうか。獲得したリードをそのまま全て営業に渡していては、商談化率が上がらないどころか、そのまま放置されてしまう可能性もあります。そのため、マーケティング側でリードを適切に評価し、フォローの優先順位をつけて絞り込んだ上で営業に渡すことが重要です。優先順位をつける基準については、リードが「どれだけ施策に反応したか」で測るのがベストではないでしょうか。1つのキャンペーンにおいても複数のタッチポイント(接点)を仕込み、次の行動へ誘導しながら関心度を測ることが必要なのです。

 また、その製品/サービスに興味がある人は、いろいろなチャネルで情報を収集する傾向がうかがえることから、マルチチャネルのタッチポイントを活用したキャンペーン実施が非常に重要と言えます。

「2012年度国内BtoBマーケティングの現状と課題」(シャノン)
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