マーケティング部門と営業部門の連携は、獲得したリードをより効率的/効果的に受注につなげるためには欠かせないものです。第6回はマーケティング部門とセールス部門間の“溝”を埋め、コミュニケーションやコラボレーションを活性化させる手段について考えたいと思います。
マーケティング部門とセールス部門の間に溝が生じる原因について、まずはセールス部門の立場からマーケティング部門に対して抱く不満から探ってみます。
展示会などで獲得した名刺を、そのままごっそり渡される場合です。マーケティング担当がいるにもかかわらず、セールス担当がリードの選別から優先順位づけまでやらなければならないケースがあります。
マーケティング部門がリードの選別をし、「ホットリスト」として渡されたとしても、商談の中にはなかなか話が進まないケースがあります。ホット度の見極めが甘かったりする場合は、マーケティング部門に対する不満につながるでしょう。
マーケティング部門として上げるべき成果が見えなかったり、中途半端なものだったりすることが原因です。マーケティング部門がきれいな製品パンフレットを用意したり、展示会へ出展したとしても、それにとどまっていると「ありがたいけど、それで終わり?」という不満につながりがちです。それには多額の予算が必要だからであり、営業にしてみれば「自分たちが稼いだ金がもっと生きるような使い方をしてほしい。ツールを作るだけなら、その予算を削って営業力アップに使わせてほしい」などと思うでしょう。
次に、マーケティング部門の立場からセールス部門に対して抱く不満を見てみましょう。
マーケティング部門はセールスの役に立ちたいと考えて施策を講じ、リードをセールスに渡しています。しかし、ホットリードがフォローされなければマーケティング部門は不満を抱くでしょう。マーケティング部門の持つ「受注につながらないと自分たちの存在価値も下がる」という問題意識をセールス部門は感じにくい、というギャップもあるでしょう。
渡したリードは確実にホットなものだったか、確度の低いものが混在してしないかなどマーケティング部門は気になるもの。セールス部門が実際にフォローして初めて分かる事象も多々あるはずなので、そのフィードバックがないとマーケティング部門としては仕事の成果を感じにくく、業務改善のモチベーションも上がらなくなります。また、受注につながらないのは、セールス部門の力量の問題なのか、そもそもリードに問題があるのかを仕分けられなければ業務改善は困難でしょう。
では溝が生じると、業務上、どんな問題が生じるのでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.