ずっとやるべきだと思っていたコンテンツマーケティング。社内決済も下り、具体的な検討を始めることになったとします。あなたはここで、面白いコンテンツは作れないか……と、いきなり考えはじめていませんか? 実はコンテンツを考えはじめる前にするべきことがあります。それが「コンテンツストラテジーの策定」です。今回はこのコンテンツストラテジーの重要性と基本的な考え方を説明します。
2013年2月、弊社もメディアパートナーの一員として関わったコンテンツマーケティングの世界大会のアジアパシフィック版カンファレンスCONTENT MARKETING WORLD SYDNEYがオーストラリアはシドニーにて開催されました。私たちも参加し、アジアパシフィック、特にオーストラリアでも展開されているコンテンツマーケティングの熱気を肌で感じてきました。このなかのセッションで、当たり前すぎて忘れがちだが改めて突きつけられることで、ひどく頷いてしまったスライドがありましたのでご紹介しましょう。
“THE GOAL IS NOT TO BE GOOD AT CONTENT.THE GOAL IS TO BE GOOD AT BUSINESS BECAUSE OF CONTENT.”(ゴールはよいコンテンツを作ることではない。コンテンツでビジネスに貢献することだ)
スライドをみて私は目から鱗が落ちた気分でした。理由は2つあります。1つは当たり前すぎて考えなくなってしまったことを改めて突きつけられ、はっとしたから。そしてもう1つは、海外のコンテンツマーケターはここまでのベーシックな地点に立ち返りってコンテンツを思考している、という事実を知ったから、です。
確かにコンテンツを考えることはとても楽しい作業です。それゆえにコンテンツ開発の目的が「面白いコンテンツ作り」になってしまいがちです。しかし、マーケティングコンテンツの開発である以上、それはあくまで手段であり、目的はビジネスゴールへの貢献(例えば、商品の購入/資料請求/ブランド認知など)であるべきです。このスライドの言葉は私自身も肝に銘じておかねばならない、と強く思った次第です。
では、この「ビジネスゴールに貢献するコンテンツ」はどう作っていくべきなのでしょうか。闇雲にコンテンツを作ることが近道なのでしょうか。確かに思いつくままに作ったコンテンツのいくつかは貢献するかもしれません。しかし、費用対効果の観点で考えるならばできうる限り開発するコンテンツの精度を高めていきたいものです。そこで取り入れたいのが「コンテンツストラテジー」という手法です。
コンテンツストラテジーとは「面白いか否か」という近視眼的な視点のみでコンテンツを捉えるのではなく、「顧客にコンテンツが使われるか」という視点でコンテンツを考えていく、つまりは「どう、コンテンツを機能させることで、ゴールに貢献するのか」と俯瞰的な視座でコンテンツを考えていく一連の流れを指します。
主に以下の3つのステップを踏みながらコンテンツを検討していくことになります。以下より各ステップについて見ていきましょう。
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