ソーシャルメディアをうまく使っているECサイトを5つ紹介します。サイトのビジュアルとアイデアで商品をうまくアピールしています。
ソーシャルメディアの浸透により、ショッピングの形態も少しずつ変わっています。大きなトレンドに流されるのではなく、友人のレコメンドや共有したくなるブランドの価値観など、多様な視点がショッピングに反映されるようになってきました。今回は「ソーシャル×EC」の最新事例を紹介しようと思います。
Etsyはクリエイターのハンドメイド商品を購入できるECサイトです。これまでアーティストが陽の目を見るにはいくつもの壁を乗り越える必要がありましたが、Etsyではアーティストが直に消費者へアピールすることが可能です。カテゴリーも豊富で、商品点数も1000万に迫る勢いです。Etsyでは各商品に多くのコメントが寄せられ、クリエイターにフォロワーがつく仕組みもあります。クリエイターと消費者を結びつけ、お互いにとってメリットのある形で売買が行われる様子は、ある種のコミュニティとも言えるのではないでしょうか。
Fancyはオンライン上に自分だけの商品カタログを作ることができるサイトです。他のサイトなどから画像を転用し、リストを作成できるほか、自身のブランドをアピールすることも可能です。Fancyはビジュアルを意識した作りで、消費者へ視覚的に訴求します。またコミュニティ内では活動に応じて「メンズスタイリスト」や「ディレクター」といった称号を与えられるようになっており、ゲーム感覚で商品へ触れ、購入の動機を作ることが可能です。
LYSTは通常のECサイトと似た構造ですが、商品のレコメンドなどにソーシャルの要素が加えられています。好きなデザイナーから、よく閲覧するブティック、よくチェックするブロガーなど細かな情報を基にして、ユーザーの興味/関心に紐づいた商品紹介に成功しています。
Poseは一見すると写真投稿サイトのようなUIです。しかし、中で紹介されているのはブランドの商品です。単なる商品画像ではなく、コーディネート例など、より宣伝臭を減らしたビジュアルで訴求します。商品購入への動線も明確に示されており、InstagramやPinterestのような同系統のサービスよりも明確にコマースの色合いを強く示しています。
sneakpeeqではソーシャルに加え、ゲーミフィケーションやフラッシュマーケティングの要素でも購入を促しています。このサイトでは、有効期限がある特定のボタンをユーザーがクリックした回数に応じ、高い割引率で商品を購入できるサービスがあります。Facebookなどで他のユーザーへ商品情報をシェアすると、より多くの特典や割引を手にすることも可能です。しかし、時間が経つと商品が購入できなくなってしまうのもポイント。“ごほうび”を用意してソーシャル上で拡散を促すと同時に割引額の見極めなど、ゲーム要素を生かして商品購買率を上げることに成功しています。
いずれのサービスも、ビジュアルを充実させると同時に、いくつかの仕掛けを設定して購買率を上げ、ユーザーが商品へ接触する機会を増やしています。モノが売れない昨今、コマースサイトの最適化(UIなど)と同時に、ユーザーの琴線に触れるような仕組みを作ることも必要です。ソーシャルメディアは、ECサイトを活性化させる役割を十分に果たしているといえるのではないでしょうか。
※この記事はSocialMedia360.jpの「ソーシャル×EC 〜5つの事例〜」の原稿を一部修正して転載しています。
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