クチコミサイトの活用状況に関する調査結果をまとめた。クチコミサイトの利用者は全体の50.2%と半数程度であるものの、利用者の95%は「役に立った」と回答するなど、ユーザー満足度が高く、リピーターが多い実態が分かった。
食べログ、価格.com、@COSME、フォートラベルなど、生活者同士が商品/サービス/店舗の評価を自由に書き込んだり、閲覧したりし合える「クチコミサイト」。生活者がこれをどのように利用しているのか、その実態を明らかにするために、インターネットリサーチを実施した。
調査手法:(株)ドゥ・ハウス myアンケートlight
対象者:20代〜60代の男女
実施期間:2012年5月21日(月)〜23日(水)
有効サンプル数:1442
まず、「クチコミサイト」を知っているかどうかの質問では、「利用したことがある」のは約半数の50.2%。「利用したことはないが、だいたいどのようなものか知っている」が18.5%、「利用したことはないが、なんとなく知っている」が22.5%、「知らなかった」が8.8%となっていた。これを年代別に見ると、「利用したことがある」の割合は20代では61.2%、30代〜50代はいずれも50%台であるが、60代になると32.4%と有意に割合が低くなっている。
「利用したことがある」人に、過去1年間にどのような商品/サービスの「クチコミサイト」を利用したかを聞いたところ、多い順に、「飲食店」の60.6%、「家電製品」の54.0%、「化粧品」の30.7%、「旅行/宿泊/交通」の28.0%、「本/映画/音楽など」の19.9%などの回答があった(図表1)。
利用頻度については、「月に2〜3回程度」の30.6%が最も多く、「月に1回程度」の25.7%、「週に1回以上」の19.9%、「2、3カ月に1回程度」の16.2%がこれに続いている(図表2)。
この1年間にクチコミサイトを利用した人のうち、「クチコミを書き込んだり、閲覧したりした」のは22.0%で、残りの78.0%は「クチコミを書き込みはしなかったが、閲覧した」と回答(図表3)。「クチコミを書き込んだり、閲覧したりした」と回答した人に対して、どのような時に書き込んだかを聞いたところ、「自分が好きな商品/サービス/店舗を人に薦めたい時」が65.2%で最も多く、「商品/サービス/店舗を利用して、感激した時」の57.4%、「商品/サービス/店舗を利用して、がっかりした時」の37.4%と続いている(図表4)。また、「その他」の中には、「プレゼントに当選したらクチコミすることになっていたから」「お店からクチコミを書くように催促メールが来たから」と、企業側から促されて書き込みをしたとの回答も見られた。
この1年間に「クチコミサイト」を利用した人に、利用するサイトがいつもだいたい決まっているかどうかを聞いた質問では、「特に決めていないが、だいたい同じサイトを利用している」が47.3%と約半数を占め、以下、「基本的に、利用するクチコミサイトは決まっている」が28.8%、「その時々の目的に合ったクチコミサイトを探して、利用している」が16.2%、「その時々でたまたま検索に引っかかったクチコミサイトを利用する」が7.7%となっていた。
この1年間に「クチコミサイト」をどのような目的で利用したかについては、多い順に、「価格を比較/検証して、少しでも安く商品/サービスを購入/利用するため」の74.0%、「評判の良い商品/サービス/店舗を探すため」の60.9%、「いろいろな人の意見を聞いて、自分の判断が正しいかどうかを確認するため」の49.9%、「商品/サービス/店舗についての基本的な情報を得るため」の30.4%、「自分に合った商品/サービス/店舗の情報を得るため」の24.0%、「商品/サービス/店舗についての詳細な情報を得るため」の20.2%などとなっている(図表5)。
この1年間に利用した「クチコミサイト」が役に立ったかどうかについては、「総じて、期待通りに役に立った」が80.4%、「総じて、期待以上に役に立った」が14.6%で、95.0%が役に立ったと考えていることがわかった(図表6)。利用しているのは全体の半数ほどにとどまっているものの、利用者からは、商品やサービスの情報を得るチャネルとして、評価されている様子がうかがえる。「総じて、期待以上に役に立った」と回答した人のうち41.7%が「週に1回以上」、29.1%が「月に2〜3回程度」利用している一方、「総じて、役に立たなかった」と考えている人はこれら2つを合わせて20.6%にすぎないといったように、この評価と利用頻度には明らかな相関関係が見られた。
一方で、この1年間「クチコミサイト」を利用しなかった人にその理由を聞いたところ、「信頼できない情報が多いと思うから」が23.9%、「どのクチコミサイトを見てよいのかわからないから」が15.9%、「クチコミサイトをチェックしたい商品/サービス/店舗がなかったから」が14.9%、「役に立つ情報は期待できないと思ったから」が14.7%、「クチコミサイトを見ている時間がないから」が12.9%、「クチコミサイトを見なくても周りの人に質問/相談すればよいから」が9.8%であったほか、「特に理由はない」が32.4%という結果であった。
今年、食べログの“やらせ”投稿などが報道され、話題に上ったステルスマーケティング(ステマ)。一般生活者を装って、特定の企業/店舗の広告/宣伝活動をすることであるが、これまでに「クチコミサイト」を利用したことがある人に、ステマらしき書き込みを見たことがあるかどうかを聞いたところ、「何度もある」が11.7%、「時々ある」が30.1%、「一度ぐらいある」が7.9%であり、合わせて約半数が“怪しい”と思う書き込みに出会った経験を持っていた(図表7)。
しかしこれにどう対処したかについては、「特に何もしなかった」が80.8%で圧倒的多数。そのほかの回答では、「注意するように友人/知人に呼び掛けた」が9.2%、「その商品/サービス/店舗にかかわる企業に電話やメールをした」が4.7%、「自分のブログやSNSに、そのことについて書き込んだ」が4.2%、「怪しい書き込みとして、そのクチコミサイトに報告した」が3.9%などとなっていた。
※この調査のすべての設問についての結果を、こちらより無料でダウンロードしていただけます。各種企画/プレゼン資料作成にご活用ください(データの引用に当たっては、出典=アイ・エム・プレスの明記をお願いいたします)。
※この記事は月刊アイ・エム・プレスの2012年7月号「生活者に聞く! クチコミサイトの利用状況について」の原稿を一部修正して転載しています。
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