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» 2012年11月16日 07時36分 UPDATE

【連載】日本の未来を切り拓くBtoBマーケティング:第4回 「マーケティングの漏斗」の必要性――案件化率の高いアポイントを営業へ供給するために

法人営業は「マーケティングの漏斗」と「セールスの漏斗」という2つの漏斗が上下に連結されたような構造だと言われる。なぜ「マーケティングの漏斗」が必要なのか? 「セールスの漏斗」だけで十分ではないのか? 「データマネージメント」と「コンテンツマネージメント」という軸で「マーケティングの漏斗」の必要性を考える。

[庭山一郎,シンフォニーマーケティング]

「マーケティングの漏斗」と「セールスの漏斗」

 「第3回 売れない原因を突き止める方程式」は案件数を増やすことが最も確実に売り上げを上げられることや、そのためには見込み客(リード)の啓蒙/育成(リードナーチャリング)が重要だということを説明しました。

 今回はこの「見込み客の啓蒙/育成(リードナーチャリング)」について、BtoBの営業活動という視点で説明したいと思います。

 法人営業は2つの漏斗が上下に連結されたような構造だと言われています。

symphony04_01.png 2つの漏斗の図

 上のひとまわり大きな漏斗は「マーケティングの漏斗」(Marketing Funnel)と呼ばれています。この漏斗の役割は3つあります。

  1. 売ろうとしている製品やサービスを購入する可能性のある企業に所属する人のリストを、展示会やWeb、セミナー、営業名刺などから収集すること
  2. 収集したリストを名寄せや営業対象外の排除を行って見込み客(リード)データベースを作ること
  3. メールマガジンやWeb、動画、ホワイトペーパー、セミナーなどを活用して「リードナーチャリング」と呼ばれる見込み客に対する啓蒙/育成を行い、同時に、企業の属性情報とその企業に所属する個人のWebとリアルの行動解析を組み合わせて有望な見込み客を絞り込み、コールをして、営業に案件化率の高いアポイントを安定的に供給すること

 下のひとまわり小さな漏斗は「セールスの漏斗」(Sales Funnel)と呼ばれています。この漏斗のミッションは「マーケティングの漏斗」から供給された営業案件を管理し、可能な限り受注決定率を上げることです。営業案件の進捗を可視化する目的を持っていることから、透明なパイプをイメージする場合が多く、「パイプライン」と呼んでいる企業も多いのです。

 一般的には上で使うツールがMA(マーケティングオートメーション:Marketing Automation)、下で使うツールがSFA(セールスフォースオートメーション:Sales Force Automation)と呼ばれるアプリケーションになります。

 では、なぜ「マーケティングの漏斗」が必要なのでしょうか? 「セールスの漏斗」、つまりSFAで十分ではないか? と考える人もいるでしょう。

「マーケティングの漏斗」が必要な2つの理由

データマネージメント

 「マーケティングの漏斗」は、数年という長い期間をかけて、ターゲット企業に所属する個人の見込み客を啓蒙/育成する役割を持っています。また「セールスの漏斗」に比べると、管理すべきデータ数が圧倒的に多いのが特徴です。そのため、「マーケティングの漏斗」の重要な機能の1つに「データマネージメント」があります。収集した見込み客データを合法的に効率良くマーケティングするためには必ず必要なプロセスです。

 さまざまなチャネルで収集された見込み客データを、企業と個人で名寄せを行い、さらに営業対象外の排除を行って見込み客データベースとします。つまり企業のあちこちに分散している 「たくさんの企業のたくさんの個人情報」 を 「1万2500社に所属する2万8800人」 という風に整理することが最初にするべきことです。自社が何社、何人のリードデータを持っているのか判らない状態ではマーケティングを始めることなどできません。「マーケティングの漏斗」に強力な名寄せの機能が求められるのはこのためです。

 あまり知られていませんが、日本の企業データや個人データの名寄せは世界で最も難しいのです。私はニューヨークに本拠を置くダイレクトマーケティング協会(DMA)の会員として世界中のデータベースマーケティングの現状を見ていますが、名寄せがこれほど難しい国や言語は他にありません。

 さらに、日本は個人情報関連の法令が世界で最も厳しい国の1つです。個人情報保護法、特定電子メール法、そしてマネジメントシステムであるプライバシーマークがあります。個人情報の売買はもちろん、関連会社といえども法人が異なれば個人情報の開示や譲渡は許されません。名寄せが世界一難しい国で、世界で最も厳しい法令に縛られているのです。これが日本でBtoBマーケティングを行う時にデータマネージメントのレベルが成否を分けると言われている理由です。

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