今日のマーケターは、複雑なマーケティングテクノロジーを十分に理解するよう努める必要がある。それを怠れば、待ち受けているのは苦難の道だ。
この連載はDatoramaでCSOを務めるカトリン・リバン氏のブログ「MARTECH 360」を日本語訳したものです。本稿の原文(英語)には以下のリンクからアクセスできます。
マーケティングテクノロジー(以下、マーテク)は、データを軸とした変革の真っ只中にある。企業はデータ活用を試みてはいるが、データの爆発的な増加とそれに伴う混とんとした状況に手を焼いている現在は、マーテクコミュニティーにとって実に面白い時代である。
しかし、マーケティングテクノロジーが重要な理由を真に理解するには、その背景を完全に把握する必要があるだろう。
業界を問わずあらゆる企業がデータによってもたらされた影響を感じている。現在、先進の企業では膨大なデータ、そして近年実用化されてきたデータの収集、処理、分析、活用機能の力で、これまで不可能だと考えられていたことが実現できるようになった。これは、コンピューティング機器の価格が崩壊したことと、クラウドによる並列処理を利用できるようになったおかげだ。データを活用する術を身に付けた企業は、とてつもないパワーを手に入れた。もはや手をこまねいている場合ではない。データ資産の活用が新たな標準になる。
業態がB2BであれB2Cであれ、1つ確かにいえることがある。それは、デジタルメディアとソーシャルネットワークが普及したことで、顧客の行動と期待は常に変化するということだ。つまり、現在のコンシューマーは、企業(ブランド)との関わりにおいて、よりパーソナライズされた1対1の体験を期待している。そうしたマーケティング施策はマーケターの長年の夢だったが、テクノロジーのおかげでそれが現実のものとなりつつある。
ただし、少しばかり問題がある。ワンツーワンマーケティングは、実践するのが不可能とは言わないまでも、非常に難しいことだ。
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