アサヒビールの事例に学ぶ――社内を巻き込むオウンドメディアが引き出す想定以上のメリットとは?【連載】コンテンツマーケティングの“HARD THINGS”に立ち向かう 第3回(1/3 ページ)

社員が人ごとだと思っているコンテンツを、ユーザーが読んでくれるはずがありません。まず作り手自身がコンテンツを楽しみたいもの。そのためには社員の協力が欠かせません。

» 2016年07月19日 07時00分 公開
[成田幸久ナイル]
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 コンテンツマーケティングを実施する担当者は、社内でとかく損な役回りになりがちだ。それはすぐにお金になって会社に利益をもたらすわけではないからだ。コンテンツマーケティングは長期的には会社にいろいろな意味で利益をもたらす施策だが、短期決戦には向いていない。そうすると目先の利益に縛られる社員にとっては、どうしても協力が後回しになってしまう。

 私がこれまでお手伝いしてきた企業でも、コンテンツマーケティングへの取り組みが全社的なタスクになっているケースは残念ながら少ない。経営者や他部門のリーダーの態度も「できれば協力してあげて」といった人ごとのような態度で、協力するかしないかは個々の社員の自主性に委ねられてしまうのだ。せっかくオウンドメディアを設けても、肝心のコンテンツが社内から上がってこないのでは、効果が半減してしまいかねない。

 社員が自社のコンテンツに関心を持てない企業に未来はない。逆に社内の協力を得られれば、普段の業務の中で蓄積しているノウハウや知識をコンテンツに生かすことができる。またコンテンツマーケティングを通じて、社内の部署間での風通しがよくなったという声も多く聞く。ここでは、そんな全社的にモチベーションが上がるような「巻き込み方型」のコンテンツマーケティングで成功している企業の事例を紹介したい。

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