2014年2月3日にアメリカで「スーパーボウル」が開催された。日本ではあまり話題に上がらないスーパーボウルだが、アメリカでは国内最大のスポーツイベントだ。スーパーボウルはアメリカのプロアメリカンフットボールリーグであるNFLの優勝決定戦のこと。プレイオフを勝ち抜いたチームが、この1試合のみを戦い、チャンピオンを決する。
NFL公式サイトによれば、スーパーボウルは単なるスポーツイベントの枠を越え、アメリカ文化の主要な一部分として国民的に楽しまれているという。当日はスーパーサンデーと呼ばれ、テレビでは朝からスーパーボウル関連の話題や試合の予想が放送され、多くの人々は自宅に友人や家族などを集めパーティーを開き、国全体が盛り上がる。
そんなスーパーボウルは、「広告の祭典」でもある。ゲームのオンエア中にテレビCMを放映するコマーシャル枠の価格は世界で最も高く、あるアナリストによれば、今年の30秒枠の値段が平均380万ドル(約3億5000万円)と過去最高に達したという。これだけ高額となると出稿できる企業も限られてくるが、なぜここまで値が跳ね上がるのか。
理由は視聴者の数である。調査会社ニールセンによると、2012年の視聴者は約1億1130万人とアメリカのテレビ放映で最多。これだけ多くの視聴者の目に触れられる機会というのはまずないだろう。アップルがその名を一躍知られるようになったのも、1984年のスーパーボウルで放映したマッキントッシュの発売告知のテレビCM「1984」が契機とされている。
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