私たちの生活において存在感を高めているWi-Fiをその核として据えるキャンペーンが海外で盛り上がりを見せている。Wi-Fiがコミュニケーションに与えるインパクトとは?
“Wi-Fiが通っているかどうか”で、入るカフェを決めるという人も少なくないのではないだろうか。例えば、外回りの空き時間にパソコンやタブレット端末で仕事をしたい、週末にタブレットで映画を観たい。そんなシーンで、“Wi-Fi”は欠かせない存在だからだ。
こうした生活者の新しい習慣に、企業も敏感に反応している。スターバックスコーヒーやデニーズ、セブンイレブンやローソンなど、大手飲食/小売各社がこぞって店舗のWi-Fi化を進めている。
Wi-Fiには顧客を集客するだけのインパクトがあるということを表しているだろう。
そんな集客力を上げているWi-Fiを取り入れたキャンペーンが最近非常に注目を集めている。その走りと言えるのが、米国のマーケティング会社 BBHが昨年3月に立ち上げたプロジェクト『ホームレス・ホットスポット・イニシアチブ』だろう。
テキサス州オースティンで行われる世界最大の音楽コンベンション「SXSW2012」の会場で、13人のホームレスにWi-Fiの無線ルーターを持たせ、公衆無線LANサービスを受けられるホットスポットとして活躍してもらい、彼らに安定的な収益源を提供する狙いで行われた。
このプロジェクトは、一部の専門家などから「ホームレスの人間性を奪っている」などの批判が噴出したが、それだけ多数の人がWi-Fiを必要不可欠な“環境”と見なしていると言えるだろう。
韓国では、その周囲をWi-Fi環境にしてしまう映画告知用のポスターが掲出された。
ポスター(の裏側に設置されたルーター)の近くにいると、スマートフォンが特設のネットワークを検知。そこにアクセスすると、トレーラー映像の再生、Facebookページへの遷移、映画チケットの購入などが可能な公式Webサイトを閲覧することができる。
その結果、映画の公式Webサイトへのアクセスは、キャンペーン実施前と比べて28.5%増加、サイト訪問者の平均滞在時間は5倍、チケットの売り上げ数が60%増加したという。
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