内部業務プロセスを「見える化」することは誰にでもできそうですが、意外に行き詰まったり、悩んでしまい時間がかかってしまうものです。時間がかかるのはよいとしても、せっかく「見える化」したものが役に立たなかったり、やり直しになってしまうケースも少なくありません。しかし、フレームワークを使うことで、その問題を簡単に解決することができます。
業務手続きを「見える化」するうえで、いきなり業務手続きを描いたのでは、業務の粒度が合わなかったり、業務のヌケやモレがあったり、あるいは、不必要に複雑な手続きとなってしまう危険性があります。そこでポイントとなるのが段階を経たプロセスモデリングです。内部業務プロセスは、戦略目標を起点に、「サービス」から「プロセス」、そして「業務」へと段階的に落としていく(モデリングを進めていく)ことがポイントです。
サービスとは戦略目標を達成するために、それに関わる組織とその組織が担う活動の総称です。
例えば、戦略目標「(2)新しいお客さまを開拓する(アクイジション)」を実現するために、マーケティング部門やセールス部門が担う次のような活動が「サービス」です。
そのサービスの関係を「見える化」し、活動の価値の連鎖を捉えたモデルが「メタプロセス」です。
例えば、先の「(2)新しいお客さまを開拓する(アクイジション)」活動の価値の連鎖は次のようになります。それぞれのサービスが連鎖され、成果として新規顧客が開拓されるわけです。
サービスモデルは、部門が担う活動を一般化(汎化)し、その活動の連鎖を描いたモデルです。実際の活動を考えた場合、具体的な施策(手段)に応じてサービスモデルは具象化されることになります。
例えば、先の「サービスモデル(アクイジション)」は、広告やテレビCM、展示会など、さまざまな手段をとることができます。そして、サービスモデルはある手段に特化した価値の連鎖として描き直されることになります。その具体化、もしくは分解された活動が、「アクティビティ」です。そして、そのアクティビティの「仕組み」や「関連(因果関係や依存関係)」を「見える化」したモデルがビジネスプロセスです。
一般的に、ビジネスプロセスをモデリングするために、IDEF0と呼ばれる規格が活用されます。IDEF0は、別名「機能モデリング」とも呼ばれており、業務活動をアクティビティというレベルに分割し、それぞれのアクティビティに対しインプットとアウトプット、制約と機構という4つの情報(ICOM)を定義する手法です。
それでは、先の「サービスモデル(アクイジション)」を「展示会」に当てはめ、そのビジネスプロセスを「見える化」してみましょう。
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