グローバル企業はどのようなマーケティングマネジメントを志向し、チャレンジし、実践しているのか。3人のグローバルCMOへのインタビューを通じて、その要点と課題を考察する。
独SAPのCMO、Jonathan Becher氏は、マーケティングそのものが土台から変化していること、そしてマーケターたちは、それがどのように変化しているのかをまだ理解し始めた段階であることを認識すべきだと言う。曰く、
これまでマーケティングとは、メッセージをコントロールすることだと考えられてきた。しかし、今や、メッセージのコントロールは非常に限られた方法によってしか可能ではなくなった。誰かがコンテンツを作り、誰かがコンテンツを消費するという線的な関係は消滅したのだ。sap.comでも、自社でコントロールするコンテンツの代わりに、顧客やパートナーといった第三者がコンテンツを提供するようになるだろう。
彼は、“現在はマーケティング=ソーシャルだ”とも述べ、「第1回 CMOが日本の組織に馴染まない理由」でも言及した、マーケティングのスキルセットとアプローチの再考が求められている背景を具体的に指摘した。
戦うフィールドの構造が変わっている。まさにマーケティングのパラダイムシフトと言える。このパラダイムシフトに対してどのように対処していけばいいのか。マーケティング的な手法ではなく、マーケティングをマネジメントしていくという視点で、グローバル企業の先進的な取り組みを紹介したい。
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