ヤフー・トピックスの見出しを巡る考えを紹介する。読者をがっかりさせないことが見出し作成のポイントである。短期的なアクセス増加につながりやすい「釣り見出し」は、長期的にみると、メディアにとってマイナスに作用する危険な飛び道具だと言える。
「その見出し、なんか釣りっぽくないですか?」
トピックスで編集作業をしている時にメンバーからこんな声があがることがあります。トピックス編集部では、トピックスの見出し(タイトル)を決める際に必ず、作成した人が案を提示してメンバーに意見を求めることにしています。そのまますんなり通ることも少なくないのですが、見出しを最初に作成するメンバーは記事を読んでから見出しをつける流れになるのに対し、他のメンバーは見出しを読んでから記事を読む逆の流れになります。このフローの逆流が、上記の指摘につながり、修正をすることになります。
「釣り見出し」とはいったい何か。定義はいろいろあるでしょうが、ここでは「間違いとは言い切れないけれど、見出しを見た印象と記事を読んだ印象がかけ離れている見出し」とします。
「釣り見出し」は、パっと見た印象にインパクトがあったり興味を引く文言になっているので、短期的なアクセスの増加につながるでしょう。ですが、実際に記事を読んでみると、見出しで抱いた印象とは離れているので読者に「期待はずれ」「裏切られた」といった感情を持たせることになります。例えば、「早起きするための5つの方法」とあって、「夜更かししない」とか当たり前のことが列挙されているだけであったり、「××の背景」とあって背景と呼べるようなファクトが含まれていない評論などは記事として価値が高くないと言えるでしょう。
第1回 13文字で伝えるニュース――ヤフー・トピックス
第2回 気をつけたい「釣り見出し」 必要な自制と長期的な視点
第3回 災害とヤフー・トピックス〜有事における事前準備と対応
第4回 ヤフー・トピックスで振り返る2012年――2位に「政局」、8位「シリア」
第5回 ツイートは何が「ニュース」なのか 〜ソーシャル情報の強みと注意点〜
第6回 ニュースを「共有」することの意義
第1回 メディアを作るって言うけど、メディアって何だっけ?
第2回 日本人新聞好き過ぎワロタ
第3回 「若者の新聞離れ」ではなく「新聞の若者離れ」
第4回 「読者は国民です」(キリっ という新聞にターゲティング戦略はない
第5回 じゃあ、新興勢力のオンラインニュースはどうなのか?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.