特集
» 2019年06月13日 07時00分 公開

目指すのは、ビジネスKPIに則した広告配信の全体最適化:人工知能「Adobe Sensei」は日本のデジタル広告市場をどう変えるのか (2/2)

[水落絵理香,ITmedia マーケティング]
前のページへ 1|2       

アドビは日本のデジタル広告をこれからどう変えるのか

――Adobe Senseiが広告の全体最適化を支援してくれるのなら、プランニングの領域までカバーできる可能性はないのでしょうか。

竹嶋氏 100%カバーできることはないでしょう。AIはあくまで人を支援するためのツールというのがAdobeの考え方です。

 何をゴールにすれば各施策がつながるのかという、フレームワークを考えるのは人間の役割です。AIは分析や予測はできても、仮説を立てることはできません。AIが算出した分析や予測結果を基に担当者が精緻な仮説を立て、データドリブンな広告配信を実施するのが理想だと思います。

――これから日本で提供開始予定の「Adobe Advertising Cloud Creative」とは、どのようなソリューションなのでしょうか。

竹嶋氏 Creativeエレメントは「ストラテジックメッセージング」と「フィードベースドメッセージング」の2つの機能を持ちます。

 ストラテジックメッセージングは、広告バナーをセグメントごとに設定するデシジョンツリーで管理しながら顧客ごとに出し分けできる機能です。

 フィードベースドメッセージングは、広告クリエイティブそのものを最適化します。例えば、1つのバナー広告に対してメインキャッチ、商品画像、キャッチコピーがそれぞれ数種類用意され、組み合わせが数十パターンあるとします。各パターンの配信結果を分析し、効果の高い組み合わせに収束していくよう自動的に最適化できるのがフィードベースドマーケティングです。「DCO」(ダイナミッククリエイティブオプティマイゼーション)と呼ばれる領域ですね。

――今後、日本市場でAdobe Advertising Cloudを本格展開するに当たり、どのようにアプローチしていく予定でしょうか。

竹嶋氏 実際にクライアントとお話ししていると、全体最適化の重要性は概念としては理解できるものの、どう実践すればいいか分からないという方が多いんですよね。

 まずは、導入事例をできるだけそろえていくべくだと考えています。Adobe Advertising Cloudは、広告配信に関するあらゆる課題を解決できます。機能が豊富すぎるが故に、クライアント側からは何ができるのか見えづらいところがあるかもしれません。

 そこで「自社の課題を解決できそうだ」と思っていただくために、「このような局面でのマーケティング課題を、このように解決しました」という具体的な事例をできる限り出していきたい。

 全体最適化。実践するためには、広告主だけでなく、代理店やメディアレップの理解を得る必要もあります。広告配信のステークホルダー全てを巻き込み、お互いにディスカッションをできるようになるところまで徹底的にサポートします。

寄稿者紹介

水落さん

水落 絵理香

みずおち・えりか フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集をへて独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI、VR/ARなどの最新テクノロジー。


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading