インフルエンサーを困らせる口コミ依頼とはどういうものか。逆にどう接すれば喜んでもらえるのか。インフルエンサーが本音を語った。
広告では届かないターゲットに効率的に接触し、かつ持続的にコミュニケーションを取り続ける方法の1つとしてインフルエンサーマーケティングが注目されている。しかし、これまでのやり方にない手段を求めてインフルエンサーにアプローチしたはずが、リーチ数ばかりを気にし、投稿の内容を細かくコントロールしようとしてしまう企業が少なくない。口コミの担い手となるインフルエンサーと良い関係が築けなければ、思うような成果につながらないのは言うまでもない。
インフルエンサーを困らせる依頼とはどういうものか。逆にどう接すれば喜んでもらえるのか。本稿では2017年12月のWOMマーケティング協議会主催「WOMJクチコミフェスタ2017」でインフルエンサー 赤埴 奈津子さんを招いて実施したトークセッションから、企業におけるインフルエンサーマーケティングの本音を探る。
本当に私のインスタを見て依頼してきているのかなと、疑問を感じるときがあります。例えば私は美容や料理、旅行などをテーマにした写真を投稿しているのですが、そんな私に、肌の露出を伴う美容クリームの依頼が来ることがあります。過去一度もそんな投稿したこともないのでなぜ私に依頼してきたのだろう、本当に普段の投稿を見てくれているのかなと思ってしまいます。
例えば、「顔の横に商材を持った写真を投稿してください」というような依頼が最もやりにくいですね。あと、投稿する時間が細かく指定されている場合。しかも同じ依頼をいろいろなインフルエンサーにしているから、見ている人にとっても不自然ですよね。私の場合、せっかく投稿するなら商材に自分なりのストーリー性を持たせるようにしています。例えば化粧水をPRする場合なら朝食をとっているシーンと併せて写真を載せて、朝にお肌を整えている雰囲気を出すとか、旅先に持っていって使ってみるとか。誰もがインフルエンサーになる時代で、いかに自分の個性を出していけるかが重要だと思うんです。写真を見て、この投稿は「赤埴奈津子」だと、分かるように工夫しているつもりです。だから、指定の内容によっては、なるべく自分の投稿したい方向にもっていけるよう交渉する場合もあります。企業側からは面倒だと思われるかもしれませんが。ある程度自由度がある形で依頼してもらえると、気持ち的にもやりやすいし、結果的に投稿したときにフォロワーさんの反応も良いと思います。
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