今回はCPI(Cost Per Install:インストール当たりの単価)とインストール後データを活用して広告効果を最適化する方法と、その上でボリューム増やしていくための具体的な考え方を紹介します。
第1回「『インストール』はゴールではない――アプリ広告の効果をどう検証するのか? 」では、アプリがインストールされた後の本当の目的に最適化することの重要性を、第2回「『広告効果』と『獲得』のバランスをどうする?――モバイルアプリ広告配信におけるマーケターの役割 」では、広告効果とボリュームのバランスの取り方、ラーニングの重要性について述べました。今回は自動最適化の具体的な進め方について、当社Applovinが広告配信をサポートする情報キュレ―ションサービス「グノシー」を例に取って見てみたいと思います。
Gunosyが運営する国内最大級の情報キュレ―ションサービスであるグノシーは、テレビCMとモバイルアプリ広告を併用し、瞬く間にユーザー数を伸ばしてきました。数とともにユーザーの質にこだわるGunosyは、毎日起動したくなるニュースや楽しいコンテンツをそろえ、エンゲージメント強化を図ってきたそうです。
既存媒体でも安定したユーザー獲得はできていましたが、それだけでは大幅なボリューム拡大ができないことが課題でした。
あるとき、デジタル広告の運用を担当する代理店から、良質なユーザー獲得に向けて提案がありました。それは「インストール後のアプリ使用頻度」を効果指標に加えて最適化していこうというものでした。
Gunosyが最初に取り組んだことは、効果の高い配信面やセグメントを探すためのデータを取得することでした。そのためにラーニング期間を設け、できる限り多くの配信面やセグメントに広告を配信し、それぞれ目標に対する入札額を調整しました。
ラーニングには一定のデータ量が必要であり、時間とコストが掛かります。まずはCPI(Cost Per Install:インストール当たりの単価)を最適化し、その後一定のインストールボリュームを獲得できた配信面やセグメントに対して、リテンションベースの最適化を行います。実際Gunosyの場合は、活用できるだけのデータを取得するために2カ月以上費やしました。
Gunosyで変化が起きたのは、キャンペーンを開始してから3カ月後のことでした。ラーニング期間中の2カ月間は目覚ましい動きがなかったものが、3カ月後から一気にボリュームが出るようになりました。効果が悪い面に関しては入札値を下げ、高い面に関しては上げることで配信のバランスが取れ、特に効果の高い面から継続的に一定数のボリュームが取れる環境が整いました。
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