「インストール」はゴールではない――アプリ広告の効果をどう検証するのか?【連載】脱CPI至上主義のモバイルアプリ広告入門 第1回(1/2 ページ)

重要度を増すモバイルアプリにおいて、ビジネス視点から見て合理的なプロモーション効果測定の在り方とは何か。そのためにどうデータを活用していくのか。アプリ内イベントを活用した効果的なマーケティング手法を探ります。

» 2016年09月27日 07時00分 公開
[林 宣多AppLovin]

 ビジネスのデジタル化が進んだ2000年から16年を経て、この間に迎えたモバイルという新たな潮流も、Webブラウザからよりエンゲージメントの高いスマートフォン(以下、スマホ)アプリへと、サービスの中心となるチャネルをシフトさせています。そんな中、「アプリユーザーの獲得」が、企業の重要な経営戦略となっています。

 この連載では、今後さらに激化するモバイルアプリ間競争において、ビジネス視点から見た有益な広告運用の在り方と、広告効果を最大限に高めるデータ活用のノウハウについて解説します。

まだまだ進むスマホシフト

 今日、ビジネスの主戦場はデジタルへと移りつつあります。さらにデジタルの中でも、スマホへのシフトが進んでおり、iPhone 3G発売から8年ほど過ぎましたが、いまだにスマホの普及は加速し続けています。

 例えば楽天の2016年度第2四半期決算資料を見ると、モバイルでの流通総額比率が58.6%と前年同期比10.1%も上昇しています。

 また、同決算資料の中で、アプリのプッシュ通知のパーソナリゼーションを強化する説明があり、ビジネス上アプリ機能の活用が非常に重要だということがうかがえます。

楽天の決算短信・説明会資料(2016年度)「2016年度第2四半期」の「スライド資料」より抜粋

 EC事業「ZOZO Town」を展開するスタートトゥデイも、2016年度第1四半期の決算資料において、同様に売り上げに対するスマホ率が高まっていることや、今後の戦略としてファッションコーディネートアプリ「Wear」やファッションフリマアプリ「ZOZOフリマ」など、アプリに最適化されているサービスが今後の成長戦略にとって重要な役割を担っていることを示しています。

スタートトゥデイの2016年度第1四半期決算説明会資料より抜粋

 例に挙げた2社は先進的な取り組みをしている特別な企業といえるかもしれません。しかしながら、現代の企業であれば、遅かれ早かれこのスマホ時代に合わせたモバイルアプリ起点のマーケティング活動が求められることになるのです。

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