固定の広告枠を買い取るのではなく、アドテクノロジーにより掲載先や料金が変動するインターネット広告を、総じて「運用型広告」と呼ぶ。入札によって広告料金が変動するという特徴があり、運用によっては広告効果が短期間で改善するというメリットがある。
インターネット広告はインタラクティブ性が高く、容易に効果を測定できる。そんな特徴から出現したのが、クリック数などに応じて広告料金を支払う成功報酬型の「アフィリエイト広告」と、そこから派生した「リワード広告」「ブースト広告」などである。
さらにモバイルやソーシャルメディアの普及によって、インターネットのパーソナライズ化が進むと、検索行動や興味関心を参考にしてユーザーごとに異なる広告を表示する「リスティング広告(検索連動型広告)」「インタレストマッチ広告(興味関心連動型広告)」「コンテンツマッチ広告(コンテンツ連動型広告)」が登場する。そして、ターゲティング精度の向上、広告配信ネットワークによる自動化、費用対効果の定量化を実現するアドテクノロジー(広告関連技術全般を指す言葉)が急速に高度化し、ついには広告枠を入札して取引するマーケットも登場した。それとともに、広告効果が運用によって短期間で改善できるようになった。その結果として生まれたのが、「運用型広告」だ。
広告は、商品/サービスを売る広告主、広告の出稿場所を提供するメディア、広告を受け取るユーザーの三者で成り立っている。広告主は効果的な広告を効率良く出稿したい。メディアは自社サイトの価値を高めて収益率を高めたい。ユーザーは興味のある商品/サービスの情報を入手したい。運用型広告はこれら三者のニーズを叶えるべく、それぞれが効率的にマッチングする広告の仕組みをその時々の最新アドテクノロジーによって進化させてきたものだ。
運用型広告の特徴は、あくまでも運用にある。広告を出稿する際には費用対効果を表す、いくつかの指標をベースに広告枠を入札する。広告料金は入札結果によって変動するが、効果測定を実施しながら広告予算や出稿期間、ターゲットなどを、短期間のうちに変更するなどの改善活動(=運用)を行う。そして継続して運用していく中で、売上アップなどの目標達成に近づけるのだ。
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