顧客管理やWeb改善などさまざまなところで人工知能(AI)の活用が叫ばれている。果たしてAIとは何か? マーケターは何を知っておけばいいのか。ざっくり分かりたい人に解説する。
さまざまな市場でコモディティ化が進み、製品やサービス自体で差別化することが難しくなったといわれる。そこで「モノより経験」といったことがいわれるようになった。製品やサービスを購買するときだけでなく、利用する際も含めた顧客の経験としての価値、つまり、「カスタマーエクスペリエンス」が重要視されてきているというわけだ。
カスタマーエクスペリエンスを高めるためには、あらゆる顧客接点において満足度を上げる必要がある。具体的には、何が気に入られ、それによって顧客の行動がどう変わったのか、裏付けとなるデータを事細かに観察しなければならない。人間の経験と勘に頼る旧来のやり方では限界がある。
そこで「データに聞く」ことが重要視されるようになった。米経営誌『Harvard Business Review』はデータサイエンティストを「21世紀で最もイケてる(セクシーな)職業」と持ち上げた。
データ分析人材の重要性が高まっていくことは間違いない。だが、データを読み解き判断するプロセスの全てを人の手に委ねる必要はない。むしろ、デジタルテクノロジーの力を借りることで、人間は高度な意思決定が必要な仕事にリソースを集中させることができる。さほど重要度の高くない意思決定は人工知能に任せてしまえばいいというわけだ。
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