コンテンツマーケティングとSEOの境界線を模索する山岸ロハン氏と渡辺一男氏の対談、第3回。今回のテーマはメディアとの関わり方。オムニチャネル時代、企業はどのようにメディアと関わっていけばいいのだろうか?
山岸 SES San Francisco 2013では、今後、企業としてPaid Media(編集注:バナー広告やリスティング広告などの広告全般)、Earned Media(同:ソーシャルメディアなどのレビューなど)、Owned Media(同:自社サイトや自社ブログのコンテンツ)のトリプルメディアについて丁寧に考えていかないと、次世代のSEO対策はもちろん、Web施策全体で遅れをとってしまうのではないか、ということが話されていました。この先、特に企業のWebサイトとしてキーになるのは、Owned Mediaのコンテンツだと思います。これまではメディアに対価を支払う代わりに記事を掲載してもらう方法がメジャーで、自社サイトをメディア化する方法はマイナーでした。でも、Owned MediaのコンテンツをSEOを意識した形で作っておくと、お金を払わなくても検索エンジンで記事が有益な情報として、自然にヒットしますよね。
Earned Mediaについても触れておきたいです。ソーシャルメディア上での言及に限らず、企業が自社サイトや自社ブログに掲載している事例もEarned Mediaの1つですよね。あれは他社の作ったコンテンツを「これはよい事例です」といった紹介形式で載せてくれているわけですから。だから「自分たちにEarned Mediaはあまり関係ない」という姿勢を取るのはおかしいと思うんです。自社サイト内で成功事例を出すときに、クライアントさまに登場していただくのは、実はOwned MediaでありながらEarned Mediaでもあるということですよね。
最後はPaid Mediaについて話しておきます。あくまでも広告というのは、自社サイトなどに人を呼び込むためのツールです。たとえ優れたクリエイティブの広告を作ってサイトを訪れてもらったとしても、サイト自体に魅力がないと上手くいくわけがありません。SESではこの3つのメディアをそれぞれどのような力配分で運営するかが大事だというような話もありました。3種類すべてを100%の力で運営することはできませんから。
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