昨今のソーシャルメディアは実名登録が基本となっており、それに伴い自分のプライバシー情報の公開についても、ややハードルが低くなっているようだ。
詳細な個人情報が分かれば、企業にとってはよりターゲティングできるという利点があるが、ユーザー側は、個人情報が不特定多数の人々に閲覧されるというリスクがある。
米調査機関のPew Research Center’s Internet & American Life Projectは5月21日、“Teens, Social Media, and Privacy”(「10代、ソーシャルメディア、そしてプライバシー」)という調査結果を発表した。この調査は、2012年の6月26日〜9月30日にかけて、12〜17歳のソーシャルメディアユーザーとその両親を対象に実施したもの。2006年時と、2012年現在とのソーシャルメディア行動とを比較し、10代のユーザーがプライバシー保護についてどのように考え、行動しているのかを明らかにした。以下、調査結果と自身の個人情報公開レベルとを照らし合わせ、ソーシャルメディアの行動を見直してみるのもいいだろう。
今回の調査によると、10代のFacebookユーザーの60%は、プロフィール公開を友人に限定しており、「個人情報の設定管理には、大変自信がある」と述べているという。Facebookユーザーの55%は、Facebookプロフィールのプライバシー情報をコントロールすることは「簡単」と考えており、33%は「すごく難しいわけではない」と答えている。
一方、プライバシー保護について「ちょっと難しい」と答えたのは8%にとどまり、さらに「非常に難しい」と考えているのは1%にも満たないことが分かった。
実態はどうか。本調査により、明らかになったプライバシー情報に関する行動は、以下のとおりだ。
2006年:79%
2012年:91%
2006年:49%
2012年:71%
2006年:61%
2012年:71%
2006年:29%
2012年:53%
2006年:2%
2012年:20%
企業や広告代理店などのサードパーティが個人情報にアクセスすることについて聞いたところ、「かなり懸念している」と答えたのは、たった9%だけだった。
現在、店舗への個人情報登録時には、店舗側から提示される個人情報の扱いや利用目的について事前に提示しているが、ソーシャルメディアでは、プロフィールの取り扱いについては自分自身で設定/管理しなくてはならない。実名登録が基本のソーシャルメディアだが、その個人情報をどこまで公開するかは、年代に関係なく、一人ひとりの中に規律が必要だ。
※本記事は、Pew Research Center’s Internet & American Life Projectの記事“Teens, Social Media, and Privacy”(「10代、ソーシャルメディア、そしてプライバシー」)を抄訳/編集した記事です。
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