マーケティング戦略としての顧客情報プライバシー管理マーケティング戦略とプライバシー管理

マサチューセッツ工科大学経営学スクール・MIT Sloanが発刊する『MIT Sloan Management Review』のWebサイトには、「マーケティング戦略の面からプライバシー管理のフレームワークを考えよう」という主旨の論文が掲載されている。マーケティング戦略の観点から、顧客とのよりよいリレーションシップ構築に向け、プライバシー管理のフレームワークを作りたい。

» 2013年04月16日 17時13分 公開
[岩崎史絵,ITmedia マーケティング]

 現在、ほとんどの企業がサイト内に「プライバシーポリシー」や「利用規約」のページを設けている。特に通販サイトや会員制サイトなど、個人情報を登録するサイトは、プライバシーポリシーの掲載は必須といっていい。

 こうした通販サイトや会員制サイトから、顧客の元へ「プライバシーポリシー更新のお知らせ」などのメールが届くことがある。しかし、顧客は企業のプライバシーポリシーにどれだけ注意を払っているのだろう。「よく分からないプライバシーポリシー更新告知が何度も来てウザい」としか思っていない顧客も多いのではないだろうか。

 一方で、「自分の個人情報が売られているのでは」という不信感を持つ顧客もいる。中には、「Webの行動履歴や検索履歴を見られたくない」と、プライバシー侵害に敏感な顧客もいるだろう。

 顧客のこうしたさまざまな疑問や不安に答えるのが企業のプライバシーポリシーだが、その効果は本当にあるのだろうか。

 マサチューセッツ工科大学経営学スクール・MIT Sloanが発刊する『MIT Sloan Management Review』のWebサイトには、「マーケティング戦略の面からプライバシー管理のフレームワークを考えよう」という主旨の論文が掲載されている。2013年3月19日に掲載された“Why Managing Consumer Privacy Can Be an Opportunity”(「顧客プライバシーの管理がチャンスになる理由」)がそれだ。この論文では、「プライバシーの管理やポリシーは、社内コンプラアインス部門のコストや視点で業務を進めることが多いが、そうではなくマーケティング戦略の観点から、顧客とのよりよいリレーションシップ構築に向け、プライバシー管理のフレームワークを作るべき」と述べている。その具体的なポイントと、マーケティング上の利点や効果は次の3つに集約されている。

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