第6回 ワインの香りはグラスの形状によって変わる――このメッセージをワインファンにうまく届けるには?【連載】高広伯彦が聞くソーシャルメディアとマーケティングの今後(1/2 ページ)

ワインファンといかに密接なコミュニケーションを交わすか。ワインファンの心をつかむコミュニケーションの秘訣について、スケダチの高広伯彦氏がRSN JAPAN マーケティング部 デジタルマーケティング プロジェクトリーダー 西村敏雄氏に聞く。

» 2013年03月13日 08時57分 公開
[高広伯彦(聞き手)、梅田カズヒコ(構成),ITmedia マーケティング]

投稿のルール、ポリシー

RSN JAPAN マーケティング部 デジタルマーケティング プロジェクトリーダー 西村敏雄氏

高広 Facebookで出す情報に関して、ポリシーやルールはありますか?

西村 ワイン好きのお客さまが楽しいと思ってくれることですね。友人の投稿を見ているお客さまのなかで、なるべく雜音にならないように内容を心がけています。

高広 Facebookで人気を博している企業の中では、「オリジナルのキャラクターが更新している」という演出を試みているケースがあるのですが、御社の場合は“誰”が更新していることになっているのでしょう?

西村 基本的には投稿者自身です。なるべく投稿者の「素」を出せるようにしたいと思っています。ただ、投稿の温度やテンションがバラバラにならないようにはしています。

高広伯彦氏/1996年、博報堂入社。出版営業局を経てインタラクティブ局で、メディア開発、インタラクティブマーケティング領域の業務に従事。iメディア局ではコンテンツ開発やビジネス開発を行う。2004年に電通に転職し、「牛乳に相談だ。」キャンペーンなどを手がける。その後、Googleに入社。AdWordsの日本におけるマーケティングや、YouTubeの広告ビジネスの日本導入などを手がける。2009年に独立し、コミュニケーションプラニングを専門に手がける「株式会社スケダチ」の代表として企業のコミュニケーションを企画する。2012年8月には日本初のインバウンドマーケティングエージェンシー「株式会社マーケティングエンジン」を設立した。著書に「次世代コミュニケーションプランニング」など。

高広 なるほど。では、投稿に反応してくれたファンにどう答えるかというルールのようなものはありますか?

西村 レスポンスに関しての決まり事はありません。わりとゆるいです。なるべく返事をしてね、と軽く言うぐらいで後は現場に任せています。ただ、コメントの量も増えてきたので、弊社のリソースだと全部追っかけられない場合があります。基本は投稿に「いいね!」を付け、まとめてコメントするという場合が多いです。

高広 ちなみに、Facebookで情報を出し続けるのは楽しいですか? 辛いですか?

西村 皆、楽しみながらやっています。もちろん大変ですが、投稿に対して反応が返ってくるのは楽しいですね。

高広 Facebookの更新が苦になってしまうというのは、良い状態ではないと思うんですよね。企業のFacebookページはファンとのコミュニケーションの場じゃないですか。ですから、Facebookでのコミュニケーションが苦になってしまうということは、ファンとのコミュニケーションを楽しんでいないということなんじゃないかなと思います。うまくいってるFacebookページというのは、担当者がファンとのコミュニケーションを楽しんでいるということじゃないでしょうか。

西村 確かにFacebookはお客さんとのコミュニケーションがいちばん楽しいところですよね。

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