野村総合研究所の調査によると、製品選定の際、「低価格」であることより、「品質」「ブランド」などを重視する消費者が増えている。
野村総合研究所(NRI)は11月19日、「生活者1万人アンケート」の調査結果を発表した。2012年7〜8月に全国で15歳〜79歳の男女1万人の生活の価値観や消費の実態を調査した。NRIはこの調査を1997年から3年ごとに実施している。
今回の調査でインターネットショッピング利用者は全体の38.0%に達した。20代、30代では利用率50%を超え、これらの世代ではインターネットショッピングが主な購入チャネルとして定着してきている。
「普段どのようなところから商品の情報を得ているか」という問いに対し、「お店(店頭/店員)」を情報源とする割合が上昇している。特に男性ではAV機器/情報家電を購入する30代、女性では化粧品を購入する20代に店頭で情報収集をする傾向が強い。「オンラインでの購買が進む一方で、インターネット上に情報が氾濫しており、判断に迷う消費者が『お店』に回帰し、店頭/店員から情報を得るという行動をとるようだ」と、NRIは指摘している。
口コミサイトやソーシャルメディアなど、消費者が商品選択の参考とするサービスが増えているが、これに伴い「使っている人の評判が気になる」という人は29.0%に増加した。反面、「商品やサービスに関する『情報が多すぎて、困る』/『情報が不足していて、困る』」のどちらに近いかという設問の結果は、「情報が多すぎて困る人」人が全体の70.1%だった。また「事前に情報を収集してから買う」人は2009年の35.8%から2012年は33.1%とやや減少した。NRIでは「消費者は利用者の評判が気になるものの、情報過多の状況下にあるため、自身でさまざまな情報を収集する傾向がやや頭打ちになっている」と分析する。
「ここ1年間の景気の変化に対する見方」という設問については調査開始以来、「悪くなる」の値が40.1%と最も高くなった。
消費者の景況感は悪化しているが、「消費に対する価値観の変化(複数回答)」の設問で、「とにかく安くて経済的なものを買う」(41.2%)は減少傾向にある。一方、「多少値段が高くても、品質の良いものを買う」「自分のライフスタイルへのこだわり商品を選ぶ」「安全性に配慮して商品を買う」は前回調査と比較して、2%アップした。
また、「無名のメーカーよりは有名メーカーの商品を買う」人の割合が2000年の32.9%から47.3%へと上昇した。「同等の機能/価格なら外国製より日本製を買う」も、2000年の32.7%から57.7%へ。消費者の購買傾向として信頼できる商品/サービスを選ぶ意向が強くなっているといえる。
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