パーソナルデータのマーケティングへの利用を消費者はどう感じているか、ソーシャルログインの利用状況はこの1年間でどう変化したかなど、マーケターが気になるデータをお届けします。
忘年会のお店探しに効率的な大掃除の方法といったお役立ち記事からビジネスの意思決定や人生の方向性を左右するようなデータ、言説に至るまで、インターネット上にはあらゆる情報があふれています。一方で、その「質」に疑問を抱いたり、個人情報が知らぬ間に誰かの手に渡る不安を感じたりすることも多くあるようです。インターネットは本当に役に立ち、人々の幸せに貢献しているのでしょうか。今回は、調査まとめサイト「調査のチカラ」の8万件超のストックから、メディアとしてのインターネットの価値について考えさせられるデータをピックアップしました。
NTTデータ経営研究所は、「パーソナルデータに関する一般消費者の意識調査」を実施しました。男女約1000人を対象に「企業がWeb閲覧履歴や購入履歴などを収集した上でマーケティング活動や広告ビジネスなどに利用していることへの印象」について尋ねたところ、「知っており、不快である」「知らなかったが、不快である」の合計は70.3%。企業がパーソナルデータをビジネス利用することに多くの人が良い印象を持っていないことが分かりました。とはいえ、パーソナルデータの活用は消費者の体験価値を向上させ、また情報提供の対価として直接的な利益を還元するものでもあります。そこで、「パーソナルデータを企業に提供してもよいと思うデータの条件」について聞いたところ、趣味・嗜好、年齢・生年月日については、74.0%の消費者が、金銭や商品、ポイントなどを得られる場合にパーソナルデータを提供してもよいと回答しました。また、このうちパーソナルデータについては匿名化されることを条件に提供可能と回答している人の割合が高いようです。一方で、年収や金融資産(株、債券)、位置情報といったパーソナルデータについては、どのような条件であっても提供したくないとの回答が過半数以上でした。企業のパーソナルデータの利活用に当たって、まず大前提は消費者の不利益にならないこと。そこを守った上で、不安を除き、信用を損なわない努力が求められるようです。
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