次世代の消費者心理をつかむには、AI(人工知能)よりもAE(アナログ&エモーション)が有効かもしれません。
2017年10月22日投開票の衆議院議員選挙は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから初の総選挙となります。選挙カーや街頭で候補者名を連呼する昔ながらの選挙スタイルは、次世代を担う若者の目にはどう映るのでしょうか。将来ある若者と長期的なエンゲージメントを築いていかなければ生き残れないのは、政治の世界も企業のマーケティングも同じこと。「近ごろの若いヤツの考えは分からん」などと嘆いてないで若者を理解する努力も必要ではないでしょうか。調査まとめサイト「調査のチカラ」に収録された9万件超の調査データから、「次世代」を知る上で役に立ちそうなトピックスを紹介します。
ネオマーケティングでは、「若者の消費トレンド」について調査を実施しました。18〜29歳の男女1000人に「1日にSNSを利用している時間」を聞いたところ、「1時間未満」(31.7%)が最も多く、次が「ほとんど利用していない」(23.2%)でした。続いて、SNS利用者に「SNSでの投稿についてどのように感じるか」尋ねたところ、「友人・知人の顔色をうかがっている気持ちがする」について「当てはまる」と答えた人が47.5%、「『いいね!』の数が気になる」人は46.4%と、デジタルメディアを介した人間関係に窮屈さを感じる若者も少なくないようです。一方、「アナログ的な商品やサービスを使ってみたいか」という問いに対し「使ってみたい」と答えたのは全体では64.0%、SNS投稿者では75.3%となりました。具体的な商品・サービスについては、「アナログ手帳」「手書きの手紙」「着物・浴衣」「純喫茶」などが「温かみがある」「プロセスが楽しい」「手間をかけることによって味が出る」といった理由で人気のようです。最後に「今後、積極的にお金を使いたいと思うこと」を尋ねたところ、「思い出に残る体験(ライブイベントや旅行など)」が45.1%で最多、「感動的な体験(ライブイベントや旅行など)」が31.1%でそれに続きました。いわゆる「エモい」体験を求める心理がうかがえます。
日本でも定着した感のある秋のイベント「ハロウィーン」も、若者にとってはエモい体験なのでしょうか。楽天は、20代の男女400人を対象にハロウィーンについての調査を実施しました。女性200人に「異性との新たな出会いがありそうなイベントは?」と聞いたところ、1位が「夏祭り・花火大会」(72.5%)、2位が「ハロウィーン」(61.5%)でした。また、「ハロウィーンの仮装の際に、知らない異性に声をかけられた場合どう思うか」については、女性の63.0%が好意的(「うれしい」:14%、「どちらかというとうれしい」:49%の合計)でした。さらに55.5%が「ハロウィーンでモテたいと思う」と回答しています(モテたいと思う:21.5%、どちらかというと思う:34%の合計)。ちなみに、「女性がこれまでにしたことのある仮装」は、1位「ホラー系(ゾンビ、魔女など)」(41.0%)、2位「制服系(ポリス、ナースなど)」(35.0%)、3位「ファンシー系(天使、プリンセスなど)」(31.0%)という結果でした。
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