第4回 「考えながら、つくる」――ラピッドプロトタイピングが生み出す新しいブランド体験【連載】IOT(Internet of Things)時代のブランドエクスペリエンス(1/2 ページ)

頭の中で想像した「体験」を変質させず、あるいは劣化させずに伝達/共有すること。最新のブランドエクスペリエンスに関わるプロジェクトを成功させるためには、この課題を解決することが不可欠です。「ラピッドプロトタイピング」という開発手法は、この課題を解決する上で大きな可能性を秘めています。

» 2014年08月04日 08時00分 公開
[山崎晴貴,スパイスボックス]

「新しい体験」を伝えることの難しさ

 これまでの3回の記事を通じて、ヒト/モノ/データ、ネットとリアルをつなげたブランドエクスペリエンスの事例など紹介しながら、その可能性について話をしてきました。新しい体験を作り出してゆく過程でわたしたちは、従来のコミュニケーション設計にはなかったある種の課題が生まれたと実感しています。

 例えば、新しいデバイスを活用した体験の楽しさは、テキストや画像による「企画書」では、なかなか伝えられるものではありません。実際に完成したものを実際に触ってみると、「企画書で想像していたものと違うなぁ……」と感じることがよくあります。頭の中で想像した「体験」を変質させず、あるいは劣化させずに伝達/共有する手法の確立は、最新のブランドエクスペリエンスに関わるプロジェクトを成功させるためには必要不可欠で、解決すべき大きな課題の1つであるとも言えます。

 そんな昨今のブランドエクスペリエンスを取り巻く状況で、私たち「WHITE」(スパイスボックスのプロトタイピングラボ)が取り組んでいるのが「ラピッドプロトタイピング」です。今回はこのラピッドプロトタイピングを使い、どのように課題を解決しようとしているのかについてお話させていただきます。

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