「マーケター通信」コラムニスト インタビューの第1弾として「ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話」の黒須敏行氏に話を聞いた。素晴らしいビジネスモデルの確立が企業の存続を決めると黒須氏は言う。
黒須敏行 「マーケター通信」ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話のコラムニスト。早稲田大学在籍時、アルコにアルバイトとして参加し、その後入社。現在はセールスチームのリーダーとしてベネッセなどが運営する大規模サイトを中心に、SEO対策のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。「ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話」では、集客施策が優れているネットメディアを外から研究し、参考になるポイントを詳細に分析する。
―― 黒須さんはどんな学生だったんですか。
黒須 1、2年の時はサークル活動に熱中していました。ぼくらは“まじめなイベサー”って呼んでましたけど、「KING」というサークルがあってですね、そこの創業者が先輩だったこともあって、その運営に関わっていました(Business Camp KINGは立ち上げから18年目を迎えた学生のための合宿型ビジネスコンテンスト。国立オリンピック記念青少年総合センターに1週間泊まり込み、5人×20のチームがビジネスプランを競い合う。ユーグレナ、ラクスル、スマポといったベンチャー企業の創業者を輩出している)。
―― 学生の頃からビジネスに興味があったんですか。
黒須 そうですね。それには両親の影響が大きい気がします。父親は海外の大学院でドイツ語を勉強して、通訳とかいろいろやってきた人なんです。勝手気儘に生きている感じで、今は大学院とか社会人向けの予備校で法律関係の講師をしているんですけど、母親は大企業に勤めていて、わりと堅い。で、母親の仕事ぶりを見ていて、当時思ったんです。彼女は会社のために働いているんだな、と。あまり面白そうじゃないと思いましたね。反対に父親からは、ユニークなスキルを身につけて生きていくことの魅力を感じていました。
―― 2年生の時にKINGを“卒業”しましたね。3年生から何を?
黒須 ベンチャー企業のインターンをしたりとか。すごく面白い会社でしたね。マジカルポケットって会社なんですけど、当時はできて3年目くらいでした(2003年04月設立)。日本の上場企業4000社のうち400社くらいと取引のあった会社で、大学にチラシがあってですね、それを見て、けっこうスゴイなと思って面接を受けに行ったんです。
この会社の主な事業は「IRコンサルティング」ということだったんですが、実際やってたのは、決算短信とか決算説明会の資料をひたすら印刷しまくる、ということだったんですね(笑)。
決算情報って、発表日の前日にならないと数字が固まらないじゃないですか。それから資料を作る。そうすると、担当者は夜を徹して会社中のコピー機を総動員することになるわけです。マジカルポケットは「決算発表前日にデータをいただければ、それを印刷/製本し、チェックもして納品します」ということをビジネスにしたんです。決算は年に数回は必ずあるので、継続的に発注は来るし、売り上げが積み上がるんですよ。そこでぼくは営業をやってました。
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