良品計画はソーシャルリスニングを積極的に活用している企業です。今回は良品計画 WEB事業部の川名常海氏にご協力いただき、具体的な事例を交えながら、企業におけるソーシャルリスニング活用のスタンスや活用方法を紹介します。
2012年の12月、無印良品有楽町店において、自分で作るクリスマス ヘクセンハウスの拡販目的で実施されたプロモーションをご存じでしょうか? このプロモーションはソーシャルリスニングから企画のヒントを得、既存の商品コンセプトである「作る楽しさ」ではなく「世界観の体感」にプロモーションのコンセプトを設定し、売り上げ向上につなげた好事例です。プロモーションの成果として、対象の商品の売り上げを実施店舗で昨対比328%、全店舗ベースで同120%向上させる事に成功しました。
では、実際にリスニングからどのようなヒントを得てプロモーションの企画、成功を収める事ができたのでしょうか。実際のデータを見ながらご紹介しましょう。
リスニングの設計は明確で、無印良品のヘクセンハウスの強みと弱みを洗い出すこと。一般的なヘクセンハウスに対して、どのようなニーズがあるのか? そのニーズと無印良品のヘクセンハウスへのニーズとの対比から、無印良品のヘクセンハウスで実現できている事とできていない事の差異を明確にしていきました。
ヘクセンハウスと無印良品のヘクセンハウスのソーシャルメディア上のクチコミを頻出するワードから内容別に分類していくと以下の3つが分かりました。
上記3つのFindingsをまとめると以下のようなことが考察されます。
「作る楽しさ」や「誰かと作れること」はリピーターの獲得に寄与しており、継続的な訴求により定常的な売り上げ基盤の獲得が可能。さらに「童話の世界観の体験」を訴求することにより新規顧客の獲得、売り上げ向上につながるのではないかと考えられます。
このリスニングの結果をもとに、良品計画では、有楽町店に巨大なヘクセンハウスの街を作り、童話の世界観を体験してもらう、さらにWebでは24時間ヘクセンハウスの街の様子を中継するなど、童話の世界観の体験を全国に広めるプロモーションを実施し売り上げの拡大を実現しました。
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