いまだ定義が定まっていないアジャイル・マーケティング。ClickZ.comの記事から、1つの具体論として提唱されているプロセスを紹介する。
昨年より、マーケティング分野で頻出するようになったバズワードに「アジャイル・マーケティング」という用語がある。ClickZ.comに2013年7月2日に掲載された記事“The Future Trend of Marketing Automation: Agile Marketing”(「マーケティング・オートメーションの最新トレンド:アジャイル・マーケティング」)によると、ざっくばらんにいえば「『アジャイル開発』というソフトウェア開発のメソドロジーを、マーケティングに応用すること」と定義している。つまり「絶えず変化するビジネス環境のもとで、複雑な課題を迅速に解決する方法論をマーケティングに応用する」ということで、実際にアジャイル開発で使われている用語をそのまま適用してプロジェクトを組むこともあるようだ。具体的には「スクラム」(ラグビーのスクラムのように、各自が役割と責任を明確にしてチームを組み開発を進める手法)、「バーンダウン」(プロジェクトの進ちょくと納期の一覧)、「ユーザーストーリー」(システム要件や機能をユーザー視点で記述したもの)、「スプリント」(開発行程の単位で、“週間”で組むことが多い)などが挙げられる。
ここでアジャイル開発を簡単に説明しておこう。アジャイル開発とは、開発前に要件をきっちり定義し、時間をかけて全体を開発/テストしていく開発スタイルに対し、少人数のチームにより小さい機能単位を短期間で開発し、これを繰り返していくこと(「イテレーション」という)で、急な仕様変更にも迅速に対応し、リスクを軽減していく開発手法だ。
現在のところアジャイル・マーケティングはコンセプトが先行している感があり、アジャイル開発のような具体的な方法論がまだ確立されていないといえる。これに対しClockZ.comの記事では、アジャイル・マーケティングのメソドロジーとして、(1)聞く(2)実行する(3)評価する(4)繰り返す、という4つのプロセスを紹介。「(4)繰り返す」とは「(1)から(3)を繰り返す」ことであり、これがアジャイル開発のイテレーションに相当するようだ。まだ定義が定まっていないアジャイル・マーケティングだが、以下ClickZ.comの記事から、1つの具体論として提唱されているプロセスを紹介していこう。
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