拡張現実の技術利用は始まったばかりです。これから更に拡張現実の技術が発展することは明らかとなっています。少し先の未来を提案します。
最終回では、拡張現実の技術が今後我々にもたらすであろう、少し先の未来を提案させていただきたいと思う。
拡張現実の技術はようやく実用化が始まった段階だが、現状では「紙を活かす」「プロモーションで使用する」「位置情報に基づいて情報を表示する」「新しい何かを実現する」など、まだまだ単発的であり、試験的な要素が多いと感じる。
この技術の可能性は無限である。単体で「拡張現実」が素晴らしいということではなく、その技術が自然に生活や仕事の中で使用されることになるであろう。マーケティングに限定せず、そのようなシーンを全て物語風に展開した。
来週はどの洋服を着ていこうかな? 天気は大丈夫かしら。アンナは自分の部屋の壁に設置してある全身が写る大型の鏡を見ながら楽しそうに独り呟いている。そう、来週は久しぶりのデートなのだ。クローゼットには、たくさんの洋服とアクセサリー、その中からお気に入りの組み合わせを探し出すのは至難の業。
インナーウェアの状態で鏡に向かい、その日のシチュエーションを登録していく。「日付」「時間」、キーワードは「デート」「ディズニーランド」。システムは自動的にその登録情報に必要な情報(例えば、季節、その日付と時間に基づいた天気など)を付加し、クローゼットに入っている洋服の中から最適な組み合わせをコーディネートして画面上に表示された。鏡に向かう自分の姿にぴったりと合わさり、まるで試着しているかのような状態に少し満足気な表情だ。バーチャル・フィッティングによりまさに着ているような状態で自分に洋服が重なっているのだ。
しかし、スカートの色とデザインが何となくしっくりこない。他のスカートととりかえてみたが、どのスカートもいまひとつ。
納得できないアンナは、画面から「ECサイトから探す」ボタンをタップした。すると、自動的にコーディネートされた情報に基づき、コーディネートに合うお勧めのスカートがインターネットから選びだされた。もちろん予めお気に入りのブランドは登録済であるため、その中から選び出されるようになっている。
色はオレンジが選択されたが、気に入らないため、「ピンクに変更」と喋った。すると画面上でフィッティングされた状態でオレンジからピンクへ変更された。コーディネートレベルが5段階で表示されているが、オレンジでもピンクでも最高レベルの5段階。
この写真を画面上のボタンで撮影して、Facebookを使用して親友に送信。少し心配なので評価してもらおうと思ったのだ。親友からは「いいね!」の返信。これで安心だ。
自宅にいながら、鏡を見てバーチャル・フィッティングができるため自分のお気に入りの1着を見つけ出すことができた。当日は夕方から寒くなるようなので、邪魔にならない程度のコートももちろん推奨された。これで、来週のデートはバッチリ!
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