第1回 BtoBマーケティングの実践における「可視化」の目的と設計方法【連載】BtoB企業のマーケティング担当者が知らないマーケティング実践ノウハウ

BtoBマーケティングにおける「可視化」とは、顧客企業の購買プロセスを明らかにすること、そして、購買に大きな影響力を持つ「関与者」をできる限り特定した上で、その動向を把握することを指します。そのためにはまず、顧客企業の動向仮説である「カスタマージャーニーの設計」を行う必要があります。

» 2014年08月01日 08時00分 公開
[沖本哲也/博報堂i-studio,清水慶尚/博報堂コンサルティング Success4B]

「買い手視点」の欠如

 私たちがBtoBマーケティングに関するコンサルティングのご相談を受ける時、顧客企業に対して最初にする質問はこうです。

 「御社のお客さまについて、どんな部署の誰が、(製品やサービスの)検討、選定、購買を行っているかご存じですか? つまり、お客さまの購買プロセスをご存知ですか?」

すると、だいたいこういう答えが返ってきます。

 「それが分からない(=顧客企業の購買プロセスを把握していない)ので、どうしたらいいのか分からない」、あるいは「現場の営業担当者なら詳しいと思う」

 このような返事をするのは多くの場合、部門のマネジメントを担当する人たちです。

 自社のマーケティング活動を設計し、マネジメントしていくには、「顧客の購買実態を把握すること」と「(マーケティングの)仮説立てること」が大前提なのですが、この前提をクリアすることは、それほど簡単なことではありません。

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