data.aiの年次レポート「モバイル市場年鑑」によると、やはり日本のアプリユーザーには、世界と異なる傾向があるようです。
モバイルアプリの利用データをAIで分析・提供するdata.aiの日本法人であるApp Annie Japanは、各国のアプリ利用の傾向を分析した2024年版の「モバイル市場年鑑」の中から日本独自の傾向があることを明らかにしました。
日本のユーザーのモバイルアプリ利用時間は、2020年から毎年上昇しているものの、世界的に見ると比較的低い傾向であることが分かりました。日本における2023年の1日当たりの平均利用時間は3時間42分。これは、カナダやイタリア、中国と近い結果です。一方、タイ、アルゼンチン、サウジアラビア、ブラジルでは、1日当たりの平均利用時間が5時間以上となっており、インドネシアに至っては6時間を越えています。レポートの分析対象となった全世界の上位10市場では2023年に加重平均が5時間を超え(2022年比6%増)、過去最高の平均利用時間を記録しました。data.aiは、ChatGPTをはじめとした生成AI搭載アプリやショート動画アプリのTikTokが、アプリ使用時間の世界的な伸びをけん引したのではないかと予測しています。
「TikTokは非ゲームアプリ10年分の収益を3カ月で稼ぐ――2024年のモバイルアプリトレンド【前編】」で指摘されているように、TikTokは日本を含む同レポートの調査対象国のほぼ全てにおいて2023年の「SNSアプリ消費支出ランキング」1位にランクインしています。世界のSNSの勢力図は塗り替えられつつあり、TikTokのようなショート動画系が台頭する一方、XのようなテキストベースのSNSは月間アクティブユーザーの推移で見るとマイナス成長の傾向にあります。
ところが、日本は違います。2023年のSNSダウンロード数ランキングではXが5位以内にランクインした世界唯一の国となるなど、独自の傾向がうかがえました。日本の2023年のSNSダウンロード数ランキングは、1位がTikTok、2位がThreads、3位がInstagram、4位がLINE、5位がXという結果になっています。また、「GPT搭載の「Bing」が1500%成長していた件――2024年のモバイルアプリトレンド【後編】」の最後の段落で触れられているように、世界におけるXのMAU(月間アクティブユーザー数)は2023年に減少に転じていますが、日本では2020年から右肩上がりの状況が続いており、毎月平均4000万人以上のユーザーがXを利用しています。
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