位置情報系を使った広告配信が増える中で「どれがいいの?」「何が違うの?」と迷うマーケターは少なくありません。位置情報を活用する意義から具体的なサービス選択のポイントまで解説します。
スマートフォンが取得する位置情報を活用した広告配信(ロケーションベースキャンペーン)が盛り上がりを見せています。その背景には、人々の情報取得行動がPC中心からモバイル中心にシフトする中で、広告配信がさまざまな環境面の制約を受けるようになってきたという事情があります。
PCでの閲覧を前提としたWebサイトにおいては、ディスプレイ広告はCookieをベースにページの閲覧履歴などからターゲティング機能を多様化させてきました。しかし、モバイル環境においては、Cookieレスなアプリ利用が中心であったり、AppleのiOSがサードパーティーCookieをOFF設定にしていたりで、ターゲティングの精度を高めることが困難でした。こうした課題を解決する手段の1つとして、スマートフォンの位置情報が注目されるようになってきたのです。
位置情報系の広告サービスが増えて行く中で、「どれがいいのか」「何が違うのか」と迷うマーケターは少なくありません。そして、そうした疑問に対して「これを選ぶべし」と即答できないのも事実です。
なぜならば、いずれのサービスもまだ進化の余地があり、どれも「帯に短したすきに長し」というのが実態だからです。また、各社が提供するサービスは、位置情報の中でも複数の要素を掛け合わされているため、単純に比較するのが難しいのです。
そこで本記事ではまず、位置情報を使った広告を技術的側面からひも解き、マーケターの方が「今回の広告施策にはどれが適しているのか」を正しく判断できるようにしたいと思っています。「これが一番」というものがない現時点では、キャンペーンごとに「何が今回の要件に適しているか」を判断していく必要があるからです。
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