TBSラジオに聞く、デジタル化するラジオのマーケティングシナリオ【連載】池田園子の「マーケ目線」 第2回(1/3 ページ)

「古くて新しいメディア」として愛され続けるラジオ。インターネットやスマートフォンによってリスナー獲得のノウハウはどう変わったのか。TBSラジオの編成担当者に話を聞いた。

» 2016年09月28日 13時00分 公開
[池田園子ITmedia マーケティング]
画像 ビデオリサーチの個人視聴率調査では最高聴取率ランキング(15分単位)でもTBSラジオはトップ10中9番組がランクイン《クリックで拡大》

 2016年は日本でラジオ放送が始まって91年、民放ラジオ開局から65年を数える。その歴史を語るとき、半分以上は新興メディアに押され衰退を余儀なくされるというストーリーになるが、それでもラジオは時代に合った番組を提供し、時々のリスナーに愛されて続けてきた。

 近年はインターネットの活用が進んでいる。メールやTwitterによるリスナーとのリアルタイムのやりとりを番宣や番組そのものに活用したり、番組のアーカイブをインターネット経由で利用できるようにしているラジオ局もある。

 こうした取り組みにとりわけ積極的に挑んできたのがTBSラジオだ。同局は2001年8月以来、15年2カ月連続で個人聴取率ナンバーワンを実現している(※1)。デジタル施策による新規リスナー獲得への地道な努力が(それが全てではないにしても)、この快挙に貢献していることは間違いないだろう。TBSラジオ編成局の三宅正浩氏の話から、成熟市場で成長し続けるメディア企業のマーケティング戦略について考えてみたい。

※1 「ビデオリサーチ首都圏ラジオ聴取率調査」(2016年8月22〜28日)の結果。

好評だったポッドキャストの次の展開は?

画像 新サービス「TBSクラウドラジオ」《クリックで拡大》

 TBSラジオの強みについて、三宅氏は「ラジオで聴いて面白いものを作り続けているから」とシンプルに答える。「1回聴くとやみつきになる面白い番組がたくさんあるので、まずはTBSラジオの存在に気づいてもらいたい。そのために、インターネット戦略には特に注力するようになりました」

 コンテンツのトライアルの場として、番組情報を告知する場として、さらにはリスナーの反応をモニタリングする場として、TBSラジオは他局以上にインターネットをフル活用してきた。

 同局の取り組みの中でも特徴的なものを1つ挙げるとすれば、2005年にスタートしたポッドキャストだろう。約30番組の過去放送やオリジナルコンテンツを配信する同サービスはリスナーから長きに渡って愛され続け、月間ダウンロード数は5000万に上った。後述するように、ポッドキャストというサービス形態は収益化が難しいという理由から2016年6月末に惜しまれつつ配信を終了することになったが、それに代わる新サービスとして開始したストリーミング型の「TBSクラウドラジオ」も、会員登録数が9月末現在で17万5000人、1日のユニークユーザー(UU)数も100万と、順調に滑り出している。現時点ではデバイスを選ばず使えるよう、ブラウザベースのサービスになっているが、モバイルアプリのリリースも検討している。

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