テレビCMを出稿した。CVが増えた。だからテレビCM施策はよかった。……このロジックは果たして正しいのだろうか? そもそも、マスとデジタルを俯瞰して分析することは可能なのだろうか? 今回から、いよいよ「統計学」を用いた分析事例を紹介する。
スマホアプリやWebサービスを紹介するテレビCMを見ない日はありません。その先鞭をつけたのは2007年2月、DeNAの「モバゲータウン」だったのではないかと私は考えています。
「ジョン・ワナメーカーなんて100年前の人間まで持ち出してWeb広告の凄さを喧噪していたWebの人たちが、いまさらマスやりますって言ってもね」といった世間の反応が多くある中(私見です)、キャンペーンは大成功を納め、DeNA社長の南場智子氏(当時)は自身のブログにて「今までにない投資額だったので、とにかくほっとした」と安堵を浮かべたことを明らかにしています。
それから約8年、2014年10月には、あのFacebookがテレビCMを始めました。つまり、Webサービスであろうと日用品商材であろうと、ネットとリアルを行き来する人間そのものにターゲットを絞り、いかにマス施策やデジタル施策を駆使するかがマーケターに問われるようになっています。
したがって大事なことは、マス施策がECサイト上での商品購入に影響を与えたか、あるいはデジタル施策が実店舗での商品購入に影響を与えたか、こうした効果をどう測るか、です。その手法の1つに「グレンジャー因果性」があります。いよいよこの連載も、本丸に切り込んでいきます。
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