フィリピンからもう1つ、Neutrogenaの事例を紹介しよう。スキンケア製品を提供している同社は、スキン・プロファイラーというオンラインサービスを提供し、実にシンプルなコミュニケーションを展開している。
化粧品業界は、CRM創生期早くからその可能性に着目してきた業界である。カスタマイズされた化粧品を提供するオンラインサイトも話題になった、が、当時話題になったほど、そうした販売方法は市場を制圧することはなかった。
しかしながら、同社の取組みをソーシャルCRMという観点から検証すると、製品紹介のOneToOne(「OneToOneマーケティング」の解説ページへ、イノベーション)対応に特徴を見ることができる
スキン・プロファイラーでは、肌についての10ある質問に選択方式で答えていくと、Neutrogenaの製品ラインアップから、肌のコンディションに最も適した製品を推奨してもらえる。
そのスキン・プロファイラーで導き出された結果は、オンラインサイトでの表示コンテンツと連動され、商品をサイトから直接を購入することができるようになっている。
さらに、メンバー登録をすれば、プロファイリング結果がサイト上に反映されるだけでなく、商品のレビューやシェア、フェイスブックでのアクティビティでポイントが獲得できるシステムも用意され、商品を購入する際に割引という形でメリットを受けられるようになっている。
利用者のネットワーク力をブランドへ最大限活用する仕掛けがここにある。
Neutrogenaのコミュニケーションは、シンプルながら、顧客に合った製品を紹介し、ポイントという形で継続的な購買を促し、さらにソーシャルアクティビティをポイントへ反映させて、サイレンスマジョリティを覚醒させる取り組みという、ソーシャルCRMの王道的仕掛けがきちんと組み込まれている。
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