ソーシャルメディア活用に成功している企業は「導入のタイミング」「他部署との連携」「ノウハウのある社員」「業務プロセスの改定」などを成功の要因だと考えていることが分かった。NTTデータ経営研究所発表。
NTTデータ経営研究所は11月15日、「企業活動におけるソーシャルメディアの活用状況」に関する調査結果を発表した。調査期間2012年9月18日から9月24日まで。従業員規模300名以上、20歳以上のホワイトカラー職種従事者が対象。
「ソーシャルメディアの導入によって、当初目的の成果が得られたかどうか」という質問に対して、ソーシャルメディア導入済みの企業で、成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)したと答えた企業は34.4%だった。
ソーシャルメディアの導入に成功した理由では、「導入のタイミングが良かったから」(35.5%)、「関連部署間の連携を緊密に行ったから」(31.6%)、「知識/ノウハウを持っている社員がいたから」(31.6%)、「業務プロセス/意思決定プロセスを改定したから」(30.3%)などの回答が挙げられた。
ソーシャルメディアの導入に失敗したと回答した企業で、「期待どおりの成果が得られなかった原因は何か」という設問には、「ソーシャルメディアの特性を十分理解できず、適切な戦略を立案できなかったから」(31.0%)という回答が最も多かった。
ソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「ソーシャルメディアの導入による成果を測定するために、どのような指標を採用しているか」を尋ねた。成功している企業は、「売上高、利益率などの業績管理指標」(18.2%)、「好感度、検索ランキング、関連報道数などのブランド管理指標」(15.5%)、「来客数、販売数などの販売管理指標」(14.4%)という結果だった。失敗している企業は、「アクセス数、クリック数、インターアクション数などのWebサイトのフロー情報」(25.6%)、「ファン数、フォロワー数などのWebサイトのストック情報」(21.5%)という回答だった。「経営視点での戦略的な目標管理が成功の要因の1つではないか」と、NTTデータ経営研究所は分析している。
ソーシャルメディアの導入に成功した企業の共通点は、「顧客データ連携システム(ソーシャルCRM)の構築」(87%)、「複数組織による緊密な連携/共同運用」(85%)、「部門長レベル以上での意思決定」(50%)、「適切な研修/訓練の実施」(85%)、「ガイドライン/ルールの策定」(90%)、「業務プロセスを簡素化、担当者に権限移譲」(57%)、「専門的な外部人材の活用」(71%)など。
一方、ソーシャルメディアの導入に失敗したと考えている企業は、「顧客データ連携システム(ソーシャルCRM)の構築」(58%)、「部門長レベル以上での意思決定」(43%)、「適切な研修/訓練の実施」(49%)、「ガイドライン/ルールの策定」(59%)、「業務プロセスを簡素化、担当者に権限移譲」(38%)、「専門的な外部人材の活用」(50%)などの項目に問題があると言える。
NTTデータ経営研究所は「導入失敗の企業は『事前/事後のチェック機能を強化した』割合(58%)が成功企業に比べて高いことから、自由闊達なコミュニケーションにより、顧客からの信頼を得るというソーシャルメディアの特性を生かし切れていない可能性がある」と指摘している。
調査のレポートの詳細はこちらから閲覧できる。
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